モデルなんてできません

京介くんと入ったレストランはオシャレな雰囲気でとても高級そうだった

‘こんなとこ滅多に来ないよ〜‘
私は緊張しっぱなしだった

そんな私の気持ちをよそに、‘夏樹こっち‘と手慣れたように私をエスコートしてくれる京介くん

「私こんな高級そうなレストラン、友達の結婚式とかでしか来た事ないよ」
私は正直に言ってみた

「俺もこういうところはあんまり来ないよ。今日は特別。夏樹は普段はどういうところでご飯食べるの?」と聞かれたから、‘普段は職場と自宅の往復だから、自炊ばっかりで、殆ど外食しないんだ‘とボソっと答えた
「凄い。夏樹ご飯作れるの?じゃあ今度俺にご飯作ってよ」と言われたから、「そんな庶民的なもんばっかりで、京介くんに食べてもらえるような凄いものできないよ」
と否定的に言ったら、‘何でもいいから作ってよ。普段外で食べることばっかりだから、家庭の味に飢えてるんだよね‘と言われたから、‘はぁ、じゃあ本当に何でもよければ‘と自信なさげに答えた
京介くんは‘やった‘と嬉しそうにしている

京介くんはあんまり普段手料理とか食べないのかな?
‘今度料理頑張ってみようかな‘
‘京介くんにこんなにしてもらっちゃって、与えてもらうばっかりだから、私も何か京介くんのために何か恩返ししないと‘
私は一人こっそり決意するのだった