モデルなんてできません

サロンを出るともう外は暗くなっていた
京介くんは手を握っているけど、昼間みたいな強引さはない
私達はゆっくり歩いた

「どう?変わった気分は?」
少しの沈黙の後、京介くんが私に訊ねた

「何かまだ信じられないです。自分が魔法にかかったみたいで、明日になったら魔法が解けなきゃ良いなあと、、そんな感じです。」
私は素直な気持ちを言ってみた  
 
「感想が夏樹らしいね。魔法で変身したなら夏樹はシンデレラだね。でも24時になったら靴を置いて逃げないでね」
‘夏樹はすぐ逃げるから‘と京介くんは私の目を見て笑って言った

見つめないで〜。見つめられると照れるんですけど
京介くんといるとドキドキして心臓がもたないんですけど

「あの、、服と靴とかごめんなさい、、こんな高そうな靴と服、私お金払うよ?」
誤魔化すように目を逸らして言う私

「お金の事はきにしなくていいよ。こういう時は素直に貰っておくものだよ」
‘では、お言葉に甘えて‘と私は一礼したけど、こんな高そうな靴とか服買えるなんて京介くん何者??と聞きたかったけど、何となく聞けなかった

その後‘お腹空かない?‘と言われたので、‘空いたかも‘と素直に答えた
京介くんはクスッと笑って‘じゃあ行こう‘と私をエスコートしてくれた

2人は港の近くのレストランで食事する事になった