モデルなんてできません

「久美ちゃんおはよう」
久美ちゃんはまだ28だけどバツイチで子持ちの一児のママだ
5歳になる龍之介くんを保育園に預けてから出勤している
若いのに苦労人なのだ

「夏樹さん聞いてくださいよ。また龍之介が保育園行くの渋って、朝から大変だったんですよ。」
久美ちゃんがため息をつきながら子育ての愚痴を私に吐露した
子育ての大変さは私の想像を絶するものだ
私には愚痴を聞くくらいしかできないからいつも心して聞いていた

「最近行きたいくないが酷いね。何か保育園で嫌な事でもあるのかな?」

「なんか保育園に龍之介をいじめる子がいるらしいんですよ。‘お前んち父ちゃんいないんだろ‘って!」
久美ちゃんの目は涙目でいまにも泣き出しそうだ

「何それ?今時そんなこと言うやついるの?先生には相談したの?」

「相談しましたよ!でもパパがいないのは事実だし、、それは私のせいですから、、とりあえず先生達も相手の子が龍之介の傷付く事言わないように気をつけて見てくれるって、、」
久美ちゃんはかなり落ち込んでいる

「そっか、、とりあえず先生達がよく見てくれるなら良かったね。久美ちゃんはほんと頑張ってるよ。それは龍之介くんにも伝わってるって!」

「そうですかね、、私のせいで龍之介に不憫な思いさせてたらと思うと耐えられなくて、、」

「ワンオペだからって不憫て決めつけなくていいと思うよ。パパがいなくてもその分久美ちゃんが惜しみない愛情で育ててるんだから」
よしよしと私は久美ちゃんの頭を撫でた

「夏樹さ〜ん。」