モデルなんてできません

バイトを辞めた事を京介くんには相談していなかった
最近はアメリカ行きの準備を大忙しで進める京介くん
忙しそうな京介くんに中々話を切り出せなかった

‘でも話さなきゃ‘
私は京介くんと話す決意をした

‘ただいま‘
京介くんが仕事から帰る
私は‘おかえり‘と出迎えた

‘あのさ、、話があるんだけど‘と私は切り出す
私は緊張していた
私は今日京介くんにお別れを言わないといけない
言いたくない気持ちが殆どだ
でも、それが私が出した結論だった

‘うん、、‘
私の話しにくそうな雰囲気を感じとってか、京介くんの表情は心なしか暗い

「あのさ、京介くん。私たち別れようか?」
私は勇気をもってその言葉を発した

「え?別れるって本気で言ってるの?」
京介くんの表情が険しくなる。口調が明らかに怒ってるのが分かる

「うん。本気だよ。京介くんと別れたいと思ってる」
私は言いたくない言葉を絞り出すようにもう一度言った

「何で別れる必要があるの?俺のアメリカ行きの事が原因?」
「そうだね。それもあるけど、私はもう京介くんに付いていけないよ。いつもいつも京介くんに振り回されて、正直もううんざりだよ。京介くんは京介くんに合った人と一緒になった方がいいと思う。元々私達全然釣り合ってないじゃん。私も自分に合った人と付き合いたいよ」
必死に言ったけど、心はもう泣いていた
やばい泣きそうだ
でもだめだ泣いちゃ

「何で急にそんなこと言うの?夏樹は俺と別れて平気なの?」
京介くんは辛そうだ
そんな顔しないで

「うん。平気だよ。元々私は1人でも平気だから、京介くんがいなくても全然やっていけるよ」
そう言いながら、私はもう泣いていた
声で泣いてるの分かっちゃうよ
必死で堪えてもやっぱり涙が出てきた
分かって京介くん
京介くんのためなんだよ

「分かった。俺たち別れよう」
そう言うと京介くんは家を飛び出して行ってしまった

私は涙が溢れてしまった
本当は好きだよ
でも、私はアメリカには行けないよ
待ってるとも言えないよ
私には京介くんを縛れないよ

これが私が出した結論だった

京介くん、今まで有難う

たくさん幸せをもらったよ

有難う、さようなら