ねぇねぇ、ゆうくん、、愛してるよぉ
ねぇ、ねぇってばぁ
後ろから髪を弄りながら、話しかける。
「何だ」
「わたしさぁ、ちょっと出掛けたい所あるんだけど、一緒に行ってくれない?」
愛している、と言った上での誘い。
つまり、デートをしたい、と暗に言ってみた。
「今からか?」
「あ、ううん、明日、なんだけど、」
「明日は行けない」
「そっかぁ。じゃあまた今度一緒にどこか行こうよ」
「友達いるだろ。おれは忙しい」
「ごめん」
ゆうくんは、何も言わなかった。
でも髪で遊んでても、何も言わなかったから、いつものごとく、多分何も考えていないんだろう。
「そろそろ帰った方がいい」
「ん?えー、もうちょっとは駄目?」
「駄目」
むむ、とむくれる。いつもだったらあと30分くらいは居させてくれるのに。
やっぱり、誘ったのがまずかったか。
「わかったー、じゃあ帰っちゃうからね」
立ち上がって、テーブルに置いてあった、勝手に入れたココアを飲み干して、ゆうくんの方を向く。
「おやすみ」
「ああ」
ゆうくんはずっと私と話す時、スマホやテレビを見ない。本も、雑誌も見ない。
ただ、私の目も見ない。
ソファの前で寛いだまま、呟いてくれた。
ちょっと笑って、玄関に向かう。
玄関でサンダルを履いて、外に出ると夜の風が表情が固まるんじゃないかと思うほど、冷たかった。
親友に、一般的にはまるで今にも別れそうなカップル、それか別居しそうな夫婦みたいな感じだね、と言われる。
そもそもゆうくんは私のような奴とは付き合えないだろうし、私はただの一方的に好きな人の家に突撃するやばいやつなんだけどね。
さらに、優しい親友は、アドバイスしてくれる。
距離感が近いもの同士の雰囲気を持ってるんだから、押さなかったら進展しないよ、ってこと、と。
夜道を歩きながら彼女の言葉に自信を懸けるしかなかった。
「おはよう」
ぽんっとメッセージが送られた音がした。
見ると、ゆうくんが送ってくれたおはようスタンプ。
「嘘!?」
ゆうくんが、私に?
おはようを?
私が毎日送っても、お返しはなかったはずだ。
んー?
送られた時刻を見ると、午前7時50分。
全然大遅刻だった。
「はぇっ!?!?」
慌てて、おはよう!ありがとう!愛してる♡
と送ると、ベッドから跳ね起きた。
嘘でしょ?
私、一度も遅刻したことなかったのに!
太陽の光がさんさんと降り注ぐ中、制服に袖を通し、髪をお団子にする。
家を出る支度を最小限に収め、ガレージに出た。
自転車を漕いで、高校に向かう。
先生の心配そうな視線を受けながら、教室に入るあの瞬間は、何事にも耐えられるはずの私の心を確かにえぐった気がした。
でも、いざ学校で過ごすと、ゆうくんのことしか考えられなくなった。
暇だなーとか、会いたいなー、とか、話したい、とか。
もういいやぁ、と半眼になって黒板を見る。
あー、ゆうくんの背中を、つうーとなぞりたい。
ゆうくんは何を着てもめちゃくちゃかっこいい。
服と一緒に、ゆうくんのこれまでの表情をプレイバックすると、どんどん欲望が迫り上がって来てしまう。
何かリアクションを見たい、下衆の下卑た妄想。
でも、もっとゆうくんと関わりたいの。
好きだから、愛しているから。
適当に言ってたって進まないのは知っている。
私は時々ヒステリーになる変な人だったのかも知れない。
もっと、もっと、なんで、なんで尽くさせてくれないの、ゆうくん。
気づけば、普通に寝落ちしていた。
「ちゃん。・・・ちゃん。お、おい大丈夫か?」
「う・・・なあにゆうくん」
「おいー、佐藤だよ、おれは」
「はっ!!」
飛び起きて、隣を見ると、確かにクラスメイトかつ部活仲間の佐藤さんだった。
「大丈夫?あまりにもぐっすり寝てたからさ、起こすのあれかなって思ったんだけど、もう昼よ?だからさ、一緒に食おー」
「あ、うんー、そっか、ぐっすりだったかぁ」
ちょっと佐藤さんが吹き出した。
「先生に叩かれてたよ?めっちゃでかい三角定規で」
「まじ??」
「まじまじ。でも、おれの言葉では起きたね。良かった良かった。」
「最高の友だよ、君は」
彼の気遣いに賞賛の意を覚えた。
「お、おお」
机をくっつけながら、照れてる?と不思議に思う。
あー、メロンパン最高。
今日のお昼はそれに尽きた。
ねぇ、ねぇってばぁ
後ろから髪を弄りながら、話しかける。
「何だ」
「わたしさぁ、ちょっと出掛けたい所あるんだけど、一緒に行ってくれない?」
愛している、と言った上での誘い。
つまり、デートをしたい、と暗に言ってみた。
「今からか?」
「あ、ううん、明日、なんだけど、」
「明日は行けない」
「そっかぁ。じゃあまた今度一緒にどこか行こうよ」
「友達いるだろ。おれは忙しい」
「ごめん」
ゆうくんは、何も言わなかった。
でも髪で遊んでても、何も言わなかったから、いつものごとく、多分何も考えていないんだろう。
「そろそろ帰った方がいい」
「ん?えー、もうちょっとは駄目?」
「駄目」
むむ、とむくれる。いつもだったらあと30分くらいは居させてくれるのに。
やっぱり、誘ったのがまずかったか。
「わかったー、じゃあ帰っちゃうからね」
立ち上がって、テーブルに置いてあった、勝手に入れたココアを飲み干して、ゆうくんの方を向く。
「おやすみ」
「ああ」
ゆうくんはずっと私と話す時、スマホやテレビを見ない。本も、雑誌も見ない。
ただ、私の目も見ない。
ソファの前で寛いだまま、呟いてくれた。
ちょっと笑って、玄関に向かう。
玄関でサンダルを履いて、外に出ると夜の風が表情が固まるんじゃないかと思うほど、冷たかった。
親友に、一般的にはまるで今にも別れそうなカップル、それか別居しそうな夫婦みたいな感じだね、と言われる。
そもそもゆうくんは私のような奴とは付き合えないだろうし、私はただの一方的に好きな人の家に突撃するやばいやつなんだけどね。
さらに、優しい親友は、アドバイスしてくれる。
距離感が近いもの同士の雰囲気を持ってるんだから、押さなかったら進展しないよ、ってこと、と。
夜道を歩きながら彼女の言葉に自信を懸けるしかなかった。
「おはよう」
ぽんっとメッセージが送られた音がした。
見ると、ゆうくんが送ってくれたおはようスタンプ。
「嘘!?」
ゆうくんが、私に?
おはようを?
私が毎日送っても、お返しはなかったはずだ。
んー?
送られた時刻を見ると、午前7時50分。
全然大遅刻だった。
「はぇっ!?!?」
慌てて、おはよう!ありがとう!愛してる♡
と送ると、ベッドから跳ね起きた。
嘘でしょ?
私、一度も遅刻したことなかったのに!
太陽の光がさんさんと降り注ぐ中、制服に袖を通し、髪をお団子にする。
家を出る支度を最小限に収め、ガレージに出た。
自転車を漕いで、高校に向かう。
先生の心配そうな視線を受けながら、教室に入るあの瞬間は、何事にも耐えられるはずの私の心を確かにえぐった気がした。
でも、いざ学校で過ごすと、ゆうくんのことしか考えられなくなった。
暇だなーとか、会いたいなー、とか、話したい、とか。
もういいやぁ、と半眼になって黒板を見る。
あー、ゆうくんの背中を、つうーとなぞりたい。
ゆうくんは何を着てもめちゃくちゃかっこいい。
服と一緒に、ゆうくんのこれまでの表情をプレイバックすると、どんどん欲望が迫り上がって来てしまう。
何かリアクションを見たい、下衆の下卑た妄想。
でも、もっとゆうくんと関わりたいの。
好きだから、愛しているから。
適当に言ってたって進まないのは知っている。
私は時々ヒステリーになる変な人だったのかも知れない。
もっと、もっと、なんで、なんで尽くさせてくれないの、ゆうくん。
気づけば、普通に寝落ちしていた。
「ちゃん。・・・ちゃん。お、おい大丈夫か?」
「う・・・なあにゆうくん」
「おいー、佐藤だよ、おれは」
「はっ!!」
飛び起きて、隣を見ると、確かにクラスメイトかつ部活仲間の佐藤さんだった。
「大丈夫?あまりにもぐっすり寝てたからさ、起こすのあれかなって思ったんだけど、もう昼よ?だからさ、一緒に食おー」
「あ、うんー、そっか、ぐっすりだったかぁ」
ちょっと佐藤さんが吹き出した。
「先生に叩かれてたよ?めっちゃでかい三角定規で」
「まじ??」
「まじまじ。でも、おれの言葉では起きたね。良かった良かった。」
「最高の友だよ、君は」
彼の気遣いに賞賛の意を覚えた。
「お、おお」
机をくっつけながら、照れてる?と不思議に思う。
あー、メロンパン最高。
今日のお昼はそれに尽きた。

