「良かった。じゃあ、明日からよろしく!じゃあねっ。」
それだけ言うと、部室を出ていってしまった。続きを塗って、ようやく塗りおえた。片付けはまた明日にして、もう今日は帰ろう。学校を出ると、なるほどと会って、一緒に帰った。家に着くと、もう夜ごはんができていた。色々済ませて、夜ごはんを食べた。すこし休憩してからお風呂へ行った。湯船につかっている時、さっきのピエロくんのことを思い出した。絵を人に教えるなんて、初めてだ。友だちはみんな絵に興味がなくて、教えたことはない。そんなわたしが、男の子相手に教えられるだろうか?急に不安になってきた。

次の日の休み時間。約束通り、ピエロくんがわたしのつくえへ来た。
不安はあったものの、なんとか教えることができた。ピエロくんはわたしのことを師匠と呼ぶようになった。その次の日も、次も次も…。ピエロくんに絵を教える日々が続いた。だんだんとわたしたちは仲良くなり、ピエロくんの絵も上達した。
友だちともよく行く食堂で一緒に食べたり、一緒に登下校もするようになった。
時には、ピエロくんがわたしの家に来たこともあった。そしてわたしも、ピエロくんの家(サーカス会場)に行き、サーカスを見たりもした。ピエロくんも妄想するのが好きらしく、一緒に妄想したりもした。そしてピエロくんとわたしは、気がつけば親友になっていた。ピエロくんといると安心するし、もう人見知りしたりはしない。それどころか最近、ピエロくんといると…ドキドキするし。緊張とかではなくて。顔が赤なっちゃうっていうか。