野菜を切る時に勢いありすぎて、野菜が吹っ飛んだり、手が滑って、手を切ってしまったり。そんなことをしているうち、お風呂からお母さんが出てきた。お母さんはあたしが料理しているのを見て、びっくりしているようだった。
「アンタ料理するなんて、珍しいわね!明日は嵐?」
そこまで言われると思ってなくて、ちょっとむっとして言った。
「たまにはするよ!だって、冷凍のなかったし。親2人にも作ってあげたくて。」
お母さんはもっとびっくりしたカオになって、
「ええ?アンタが私のために…?どうしちゃったのよ。それに、いつもゆる食堂行ってるじゃないの。」
更にイラッとして言いかえした。
「別にいいでしょ!今日は食堂の気分じゃなかったの!」
怒ったからか、お母さんは黙ってしまった。そして何も言わずに、キッチンの方に来て、ようやく口を開いた。
「私が作るわよ。アンタは部屋で待ってなさいな。気持ちは嬉しいけど、大変でしょう。」
あたしは何も言わず、ただ頷いてから、部屋に戻った。しばらくスマホで友だちとラインしたり、ネットを見たりしていたら、ごはんと呼ばれた。でも今日は1人で食べたかったので、そのことを伝えて、リビングに向かった。ごはんをトレイに乗せて、自分の部屋に再び戻った。ごちゃついているつくえの上を片付けてから、トレイを乗せて、食べた。切ったところまではやった野菜炒めは、ちゃんと最後まで作ってあり、とてもおいしかった。それにごはんとお味噌が加わっていた。ごちそうさまをして、トレイを持って、再びリビングに向かった。