風に押したおされるように、あたしはバランスを崩してしまった。
目を開くと、ちがう場所にいた。周りを見ると、教室ではなさそう。自分はベットに寝ているようだった。しばらくぼーっとしていると、人が入ってきた。
「あっ、起きたみたいね。どう、体調は?」
保健室の先生が近よってきた。
「だいじょぶです…あたし…さっきまでは裏庭に…。」
なんとかそう答えると、
「よかった。アナタ、さっき裏庭で倒れていたのよ。」
としんみり言っていた。
「えっ?」
思わず声が出たが、
「そうだったかも?」
と納得した。そういやさっき、バランスを崩してから記憶がなかった。
「ストレスとか、疲れからみたいね。カゼとかではなさそうね…ひとまず、親に来てもらいましょう。」
返事の代わりに頷いた。
「連絡してくるから、待ってて。あ、誰か来ても行かなくていいよ。」
とだけ言って、いなくなってしまった。あたし以外誰もいない保健室で、ふうとため息をついた。
ストレス、疲れ…。きっとさっきので?いや、最近ずっとそうだったかも…。などと考えていると、先生が戻ってきた。荒い息で
「も…う来てくれるっ…って。」
と伝えてくれた。10分もしないうちに、お父さんが来てくれた。先生にさよならをして、お父さんの車へ乗った。車で少し眠ってしまった。
「おーい、着いたぞー。」
というお父さんの声でハッとした。車から降りて、自分の部屋に急いだ。ベットにごろんと寝ころがった。お気に入りの丸のクッションを抱いて、また眠ってしまった。またまたお父さんの声で目が覚めた。お昼ごはんを用意してくれたみたいだ。リビングへ行くと、テーブルにお皿が並べてあった。