日頃の運動不足が祟って息があがって、みっともない位にスムーズな声掛けにならなかったのは許して欲しい。
ここまで付いてきたのはわたしの勝手だけれど、本当に疲れた。
障害物を避けながらの早足なんて、わたしには無謀な話だと思い知らされる。
それにしても本当に不思議なのは、ここに来るまで、ペンデルトンに声を掛けて、付きまとう女学生達が居なかった事だ。
彼の周囲に、学内で選りすぐりの美女軍団、人呼んで『ペンデルトンガールズ』が1人も居ないなんて、どうなってるの?
幸いな事に、わたしのはっきりしない声掛けが届いたようで、彼が立ち止まって振り向く。
フィニアス・ペンデルトン。
ペンデルトングループの御曹司。
艶やかな黒髪に、輝く紺碧の瞳。
その目元涼しく、両の口角は楽しげに上向いて。
毎日臣下に囲まれて、いつもご機嫌な、正真正銘の麗しの王子様。
そんな彼が初めて、わたしを見た。
王族じゃないのに皆から王子と密かに呼ばれ、そのように振る舞っても、当然のように受け入れられている男。
そんな彼との初めての会話がこれだ。
「君には、俺……僕が見えるの?」
「は? この眼鏡で、ちゃんと見えてますけど?」
こいつも、わたしの眼鏡が視力と合っていない、とでも言いたいのか、と。
「は? 」なんて、刺々しい返しで初対面の王子に突っかかってしまった。
わたしは平和主義者のはずなのに。
ここまで付いてきたのはわたしの勝手だけれど、本当に疲れた。
障害物を避けながらの早足なんて、わたしには無謀な話だと思い知らされる。
それにしても本当に不思議なのは、ここに来るまで、ペンデルトンに声を掛けて、付きまとう女学生達が居なかった事だ。
彼の周囲に、学内で選りすぐりの美女軍団、人呼んで『ペンデルトンガールズ』が1人も居ないなんて、どうなってるの?
幸いな事に、わたしのはっきりしない声掛けが届いたようで、彼が立ち止まって振り向く。
フィニアス・ペンデルトン。
ペンデルトングループの御曹司。
艶やかな黒髪に、輝く紺碧の瞳。
その目元涼しく、両の口角は楽しげに上向いて。
毎日臣下に囲まれて、いつもご機嫌な、正真正銘の麗しの王子様。
そんな彼が初めて、わたしを見た。
王族じゃないのに皆から王子と密かに呼ばれ、そのように振る舞っても、当然のように受け入れられている男。
そんな彼との初めての会話がこれだ。
「君には、俺……僕が見えるの?」
「は? この眼鏡で、ちゃんと見えてますけど?」
こいつも、わたしの眼鏡が視力と合っていない、とでも言いたいのか、と。
「は? 」なんて、刺々しい返しで初対面の王子に突っかかってしまった。
わたしは平和主義者のはずなのに。



