まだ誰も知らない恋を始めよう

 ニール・コーリングとの不快な過去が蘇ってきて、引き攣ったわたしを見て、近付いてきた彼から守るようにフィニアスがわたしの前に立つ。
 彼は自分の姿が消えてるのを忘れて、ニールからわたしを庇ってくれているのだろうけれど。

 大丈夫、心配は無い。
 ニールは絶対にわたしには触れないし、一定の距離から近付かないから。
 
 何故なら、彼がパーキンスからコーリングになったご両親の離婚は、わたしのせいだと彼は思い込み 
「その、お前の目が気持ち悪い! もう2度と僕に近付くな!」と怒鳴られたのだから。


 それから、わたしはこの眼鏡を。
 事情を知った父がくれた、この伊達眼鏡を掛けた。

 わたしの本当の色。
 彼が罵った、金色に光る瞳を隠すために。


 案の定、ニールはある程度わたしに近付いたところで止まった。


「王都を離れてから1年近く、君を恨んでた。
 だけど生活も落ち着いてきたら、君に対してひどい言葉をぶつけた事を後悔した。
 その時にでも、直ぐに手紙でも出せばよかったんだけど。
 君のお母上が亡くなっただろ?
 そんな大変な時期に、俺が煩わすのもどうかと思って……」