まだ誰も知らない恋を始めよう

 彼のお母様からも、一緒に行ってフィンを支えてあげて、とお願いされた。
 けれど、わたしは卒業後の就職を決めたし、この国に残る事を彼のご家族にも明かした。
 その側では、フィンもお母様に説明してくれていた。


「彼女には、自分のしたい事を優先して欲しい、と思ってる。
 3年なんてあっと言う間だし、俺には彼女だけ。
 母さんの心配は無用だよ。
 ペンデルトンの男は嘘つきじゃないし、エルの前じゃ嘘はつけない。
 俺とエルの間には、どんな障害にも負けない愛があるのを、母さんは忘れた?」

 彼がそこまで言えば、お父様は咳払いをし、お母様は黙って目を潤ませた。
『愛』は、お母様にとってキラーワードだ。

 それにしても『どんな障害にも負けない愛』を、照れずに言えるフィンは、凄い。