まだ誰も知らない恋を始めよう

「そう、なら明日はわたしも仕事があるし、今日連絡を取って会いに行きましょう。
 きっと貴女になら、最優先で都合をつけてくださるはずよ?
 話の展開によっては、明日以降は有給を取ってもいいけれど……」   

 え、ペンデルトン夫妻に連絡を取れ!?

 いやいや、わたしが最優先なんて訳が無いし。
 お忙しそうなペンデルトン氏のご都合が空くのを待っていたら、いつになるか。
 それに何より、叔母はあのご夫婦に何をさせたいの?


「今日、会いに行くって本気ですか!?」

「そうよ、ご夫妻どちらがいいかな。
 会いやすいのは夫人だけれど、やはりペンデルトン氏の方が冷静に話を進められそうね?
 じゃあ、早速ペンデルトンホテルに電話して、社長様のご都合を聞いてみて」

 戸惑うわたしを置いてきぼりで、話し続ける叔母が一息ついた隙に、口を挟む。


「会って、何を話すんですか?
 あの方はマッカーシーの力の事はご存知ないんです。
 それを隠してどうやって説明し……」

「話せばいいじゃない、貴女の力も、わたしの力も。 
 どうせ、愛があるから見える、なんて与太話はピュアな奥様はともかく。
 シビアな旦那様の方は信じていないだろうし、ダニエルには普通じゃない何かがあるとは睨んでいるとは思うわ。
 だから下手にうちの一族を徹底的に調べられるより、早い時点でこちらから打ち明けて、権力者は味方に付けた方が得策なの。
 それにね、1番肝心なのは、これは彼の息子の事なのよ。
 早くメイトリクスを見つけないと、息子さんが危ない事、父親には隠しちゃいけない」