あり得ない事に門扉が開いたままなのは、俺が出入りする事を想定して、父がそう命じてくれたのかもしれない。
難しい表情をしたビリーが、何者も通さないと真ん中に立っている横を、俺はすり抜けた。
生真面目なビリーは俺に気付かず、その厳しい視線を正面に向けていた。
◇◇◇
関係者が本館と呼ぶ、8階建ての壮麗な外観を見上げる。
別館からなら、繋がっている庭園側出入口から入った方が早いのだが、今日は正面から入りたくて、表に回ってきた。
ペンデルトンホテルは6階までが普通の客室で、7階はスタッフフロア、最上階の8階は一般客が立ち入れない王族や公侯位の高位貴族専用のスィートルームフロアになっている。
父が居る社長室や時々出勤する祖父の会長室があるのはスタッフフロアの7階だ。
出入りされるお客様に紛れて、回転ドアからお馴染みの玄関ロビーに入る。
ロビーの左手奥にはエレベーターホールがあって、そこで俺は同乗させていただくために、お客様を待った。
やがてチェックインの手続きを終えたお客様がトランクを下げたポーターに先導されて現れたので、俺も一緒に入って壁に貼り付くような体勢で立ったけれど。
狭い空間で同乗するのは、お客様に気を遣うのは当然だが、ポーターもエレベーターボーイも居て。
身の置きどころがなくて、出来るだけ皆から離れた位置で体を小さくして、図々しく乗り込んだ事を後悔していた。
難しい表情をしたビリーが、何者も通さないと真ん中に立っている横を、俺はすり抜けた。
生真面目なビリーは俺に気付かず、その厳しい視線を正面に向けていた。
◇◇◇
関係者が本館と呼ぶ、8階建ての壮麗な外観を見上げる。
別館からなら、繋がっている庭園側出入口から入った方が早いのだが、今日は正面から入りたくて、表に回ってきた。
ペンデルトンホテルは6階までが普通の客室で、7階はスタッフフロア、最上階の8階は一般客が立ち入れない王族や公侯位の高位貴族専用のスィートルームフロアになっている。
父が居る社長室や時々出勤する祖父の会長室があるのはスタッフフロアの7階だ。
出入りされるお客様に紛れて、回転ドアからお馴染みの玄関ロビーに入る。
ロビーの左手奥にはエレベーターホールがあって、そこで俺は同乗させていただくために、お客様を待った。
やがてチェックインの手続きを終えたお客様がトランクを下げたポーターに先導されて現れたので、俺も一緒に入って壁に貼り付くような体勢で立ったけれど。
狭い空間で同乗するのは、お客様に気を遣うのは当然だが、ポーターもエレベーターボーイも居て。
身の置きどころがなくて、出来るだけ皆から離れた位置で体を小さくして、図々しく乗り込んだ事を後悔していた。



