まだ誰も知らない恋を始めよう

「あー、続き、いいですか?
 チャールズ卿の協力は、まず無理ではないかと」

「えっ?」

「貴女のお父様には魔法庁所属の魔法士が付いていて、内密に行動するのは無理でしょう。
 いくら貴女からの頼みでも、お父様やお兄様は迂闊に動けない。
 魔法庁に経緯を知られて、隠している貴女の能力がバレてしまうからです」


 そうだ、そうだった……
 父や兄の協力を得られないのなら、どうやって?
 わたし自身の能力なんて、たかが知れてる。
 

「オルも言ってましたが、わたしとこいつにも見張りが付いているようなもので、ここから簡単には外に出られない」

「痛いっ、痛いって!」

 こいつにも、と言いながら、ベッキーさんはさっきの『人生捨ててる』発言のお返しをするように、隣に座るオルくんの左耳を引っ張った。



「自分でも甘えているのは承知していますが、ではどうしたらいいか、教えていただけますか?」

 フィニアスが身を乗り出して尋ねるので、わたしはそれを通訳した。