…寝よ。

考えたってどうしようもないことは、考えたって意味がないんだ。

やめだ、やめ。

もう一回、寝よう。

頭にズキズキと痛みが響く。

今日はもう一日寝て過ごそうかな。

ゴロゴロとベッドの上で寝返りを打ちながら、眠りに落ちるのを待つ。

けれど、頭痛は一向に収まる様子がなく、それどころか痛みを増しているようにすら思える。

ヴーヴーヴー

そして、どうしてこんな時にってタイミングで着信音がする。

手探りでスマホを探すけど、それらしきものは手に当たらない。

もういいや、あきらめよう。

「…」

ヴーヴーヴー

一瞬あきらめようかなと思ったけれど、思いのほか着信は切れる様子がない。

「なんだよ…」

重い体を起こすと同時に、頭に鋭い痛みが走る。

「…っ」

床に転がるスマホを拾い上げる。

誰だよ…

心の中で悪態をつきながら、通話ボタンを押す。

「あら、めずらしい!」