しかし、えらい目にあった…。

酔いつぶれた同僚を家まで運び、やっと帰ってこられたと思ったらもう2時を過ぎている。

「疲れた…」

ソファーに腰掛けながら、思わず声が漏れる。

あの後、居酒屋で寝てしまった同僚をなんとかタクシーに押し込み、一緒に同僚の家に向かった。

俺の家に連れてくるのは絶対に嫌だからな。

道中、ずっと寝ててくれればいいのに、時々目を覚ましては、

「お前は、人生につまずいたことなんてないんだろ!?」

とか、

「なんでも出来て、スマートでかっこいいお前には分からねぇよ」

とか、喚くからなだめるのに更に疲れが増した。

ふうと息をつきながら、火照った体に水を流し込む。

”お前には、やり直したい過去なんてないよなぁ!?”

同僚の言葉が、思い出される。

「…」

俺も少し飲みすぎたのかもしれない。