鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜


 そんな私たちの会話は教室に先生が入ってきたところで打ち切りとなった。

(きっかけねぇ……)

 私は彼に初めて「好きです」と言われたときのことを思い出していた。



 それは年度初めの図書委員会の集まりでのこと。
 私は去年に引き続き二年目の図書委員で、新しく入ってきた一年生のために簡単な自己紹介や仕事の説明をしてその日は解散となったのだけど。

「先輩! 好きです!」

 図書室を出てすぐにそんな声が聞こえて、こんなところで告白なんて一体誰?と呆れ顔で振り返り、私は固まった。

「え……?」

 つい先ほど顔を合わせたばかりの一年男子が私のことを真剣な眼差しで見つめていたからだ。