なんの冗談だろう。
だって『総長』のイメージと、いつも図書委員の仕事を頑張ってくれている鳴神くんが全然結びつかない。
――でも。
今私の前にいる彼がそうだというのなら納得出来る。
雰囲気が……オーラがまるで違う。
彼は間違いなく、ここにいる誰よりも強い。
そう素人の私でもわかるほどの強いオーラを感じた。
その彼が、ゆっくりと口を開く。
「俺はチームは解散だと言ったんだ。その後どうしようがお前らの勝手だが……関係ない人を巻き込むのは違うんじゃねーのか。なぁ、御影ェ?」
その地獄の底を這うような低音に、御影がぶるっと身体を震わせた。
でもその顔はなぜか歓喜に満ちていて。
「……だって、こうでもしなきゃ、アンタと本気でヤりあえないっしょ!?」
御影のその歓声を合図に、周りにいた男たちが一斉に彼に飛びかかった。



