――って、暴走族とかの、あの『総長』!?
小説や漫画の中でその存在は知ってはいても、本物を目にするのは初めてで妙な興奮を覚えてしまった。
(ってことは、鳴神くんもそのチームにいたってこと?)
でも、御影と名乗ったこの男は「元」と言った。
ということは、今は違うということだ。
そのことに少しだけほっとする。
鳴神くんの過去を私は何も知らない。
けれど、きっとこんな奴らの仲間なんて嫌になってそのチームを抜けたんだろう。
そうに違いない。
(それなのに、こいつらは……)
「……鳴神くんを連れ戻すために、こんなことを?」
すると、男たちはまたどっと笑った。
御影も妙な笑みを浮かべ、続けた。
「まぁ、そんな感じ? 鳴神くん、チーム辞めて勝手に姿消しちまったんだよね。そしたら最近仲間の女が『鳴神』って名前の奴を知ってるっつーからさ、それで学校が判明。アンタのことも知ったってわけ」
……仲間の女。
浮かんだのは例の1年のギャル集団だった。



