鳴神くんは理想の男子? 〜本好きの地味子ですが、陽キャな後輩くんになぜか懐かれています〜


(私のせいで……っ)

 悔し涙が出そうになって、後ろ手に縛られている拳を強く握りながら精一杯の低い声で言う。

「鳴神くんに一体何の用があるわけ? こんな大人数で卑怯なんじゃない?」

 こんな奴らと鳴神くんの接点が思いつかない。
 しいて言うなら女の子関係だけれど、それだけでこんな大掛かりなことをするだろうか。

 すると男たちは一斉にゲラゲラと笑い出した。
 眉ピアスの男もふっと鼻で笑いながら言う。

「アンタ、本当に何も知らないんだな」
「え?」
「“鳴神くん”はね、俺たちの仲間」

「!?」

(鳴神くんが、こいつらの仲間……?)

 こんなワルそうな奴らと、あの明るくて優しい鳴神くんが?
 私が驚き目を見開いていると、男はもう一度小さく笑った。

「まぁ、“元”、だけど」
「元……?」

 男は首を竦め怠そうに続けた。

「あー、自己紹介がまだだったか。俺は【迅雷】ってチームの総長、御影(みかげ)

(総長!?)