「妹さんマンガ好きなの?」
「はい! すげー好きです。本棚に入りきらないくらいのマンガ持ってて」
「ハハ、うちと一緒だ。妹さんと気が合いそう」
「先輩も本の量凄そうですもんね。先輩は兄弟は?」
「私は一人っ子」
「そうなんですね。勝手にお姉ちゃんかと思ってました」
「そう? だから兄弟って憧れるんだよね」
「じゃあ、今度うち遊び来てくださいよ」
「えっ」
驚いて声を上げると鳴神くんは慌てたように両手をふった。
「や、変な意味じゃなくて! ユヅも、あ、妹、結月って言うんですけど、ユヅもきっと先輩が来たら喜ぶなと思って」
「そ、そっか。会ってみたいな、結月ちゃん」
なんだか妙な雰囲気になってしまって、私はそこで図書委員の仕事を切り上げることにした。



