私は前のめりになっていた身体をゆっくりと引いて座り直し、小さく咳ばらいをした。
「ごめん。急に煩くして」
「や、先輩のそんな顔見るの初めてだったんで」
そんなふうに言われてかーっと顔が赤くなるのがわかった。
なんという失態。
「ホントごめん」
「え、なんで謝るんですか? 鈴音先輩笑うとめっちゃ可愛いなって思ってたんですけど」
「!?」
目をキラキラさせて嬉しそうに言われて、私はまた別の意味で顔に熱が集まるのを感じた。
「その照れた顔も最高に可愛いです! え、今日鈴音先輩の可愛いとこたくさん見れて俺すげーラッキーじゃないですか!? 委員会遅くまで頑張った甲斐がありました!」
顔の赤みが全然引いてくれなくて、私は苦し紛れに話を変えることにした。
「い、妹さん、いるんだね」
「はい! 今中1の妹がいます」
なんとなく上にお兄ちゃんかお姉ちゃんがいそうだなと思っていたけれど、まさかお兄ちゃんだったとは。
でもそう言われると優しいお兄ちゃんに見えてきた。



