いつもの、でもいつもとは少し違う通学路の途中。

もわっ、と漂うタバコの匂いで、思わず大きな咳をしてしまった。
周りにまばらに歩いていた通行人達に振り返られる。

あ、やばい。恥ずかしい＿＿＿

じわじわと顔が赤くなっていくのを感じる。

それにしても、こんな朝っぱらからスクールゾーンでタバコを吸う人なんているんだ。

気になって、周りを見渡した。それがいけなかったのだ。

「ごめんね、おねーさん。ちょっと来て?」

振り向くと、私と同じくらいの背丈の男の子がいた。
黒髪短髪で、ピアスいっぱい。でも、かなりのイケメン。

イケメンの、有無を言わせない笑顔。
なんか危なそうだけど、これは、行くしかないかな____