おまめ星大冒険!

しばらく歩くと、看板が置かれていた。そこには、もも星と書かれていた。「聞いたことない名前…。」とおばあちゃんがつぶやいた。そしてもうしばらく進むと、家らしきものと、星に住む生きものらしきものが見えてきた。4人は自分たちの星とは全くちがう景色を見て、茫然としていた。
 家の形は全て桃、生きものも桃、植物も桃…とにかく桃だらけ!ようやく我にかえったもるほどが「なるほど、だからもも星というのね…。」と言った。そして4人は、だれかに声をかけなきゃと思い、桃の生きものに話しかけることに。
 4人は、緑のベレー帽をかぶっている生きものに話しかけた。
「ねえ、あたしたち、なんで・キラリン星から来たんだけど…ココのこと、教えてくれない?」
 フレンドリーななるほどが、にっこりして聞いた。するとその生きものはびくっとして、4人の方へ顔を向けた。目がすっごい大きくて、きゅるっとしていた。
 4人は一瞬桃の天使かと思いこんでしまった。
「えっと…アナタたちは観光者?」
 桃の生きものの声で、みんなはハッとした。
「ま、まあそんなかんじ。でも、泊まるところがなくって…。」となるほどが返事した。
 するとすぐに「なら、わたしの家に来る?ココのことも教えてあげる!」と言ってくれた。「えっいいの?!」3姉妹はぱあっと顔を輝かせた。
「いいのかしら!ありがたいわ。」とおばあちゃんも顔を輝かせた。
 そうして、桃の生きものと4人は、桃の生きものの家へ歩きだした。
 10分ほどで桃の生きものの家に着いた。
 やっぱり家の形は桃だった。丸いドアを開け、5人で中へ入った。
 中も桃で溢れていた。イスも、テーブルも、テレビも、桃の形だった。
 更には本物の桃が、壁だなに乗せてあった。壁紙と床も桃色だった。桃色がすきなもるほどは、心を躍らせて入った。
 桃の形のイスに5人で座ると、さっそく桃の生きものがしゃべった。
「わたしはもも。ココはもも星っていって、もも星人たちが暮らしているの。ココは名前のとおり、何もかも桃でできてるの。」
 4人も、1人ずつ自己紹介した。それからまた、ももはもも星のことや自分のことを教えてくれた。そこで、ももは絵を描く仕事をしていると言った。
 絵を描くのがすきななそでいは、急に親近感を感じた。
 そして、特別なそでいのことを描いてもらうことに。紙と絵の具を用意すると、さささっと描きはじめた。1分も経たないうち、完成した。
 完成した時、4人は思わず拍手してしまった。1分で描いたとは思えないほど上手で、さすが絵を仕事にしてるだけある、と思った。なそでいは紙を受けとると、思わず「やったー!」と言った。それから5人でおしゃべりをし、次の星に行くまで泊まらせてもらうことになった。4人は桃のお家なんて新鮮でたまらなくて、初めて泊まっている1日目はわくわくしっぱなしだった。
 しかし、2日目になるとすっかり慣れてしまった。でも、ももがいるおかげで、退屈ではなかった。日々色んなことをしゃべってくれるし、やっぱりロケットの中とはちがい、ストレスはなかった。そしてだんだんと、ももと仲良くなっていった。その中で、4人は、この子なら仲間にしてもいいかも、と思うようになった。意を決して、ももとの生活がちょうど1ヶ月経った時、話してみることにした。「わたしたちは、今、仲間を集めているの。悪だんズを追いはらえるね。今、わたしたちの星はピンチなの!お願い、仲間になってくれない?」
 突然のことに、ももはびっくりした様子で言った。
「え…わたしがアナタたちと、悪だんズと戦うということ?」
「ええ、そのとおりよもも。」落ちついた口調でもるほどが言った。
「助けてあげたいけど、わたしにそんな力ないよ!絵は得意だけど、運動は得意じゃないもん。」
「それでもいいわ!他にも仲間を集めるの。ね、どう?」
「なら…!役に立つか分からないけど…!」
「本当に?嬉しい!」
「それじゃあ、さっそく次の星へ行く準備をしなくちゃ。」
 張りきるもるほどにおばあちゃんが言った。
「ちょっと待って。ももさんはお仕事をされているのよ。忙しいにちがいないわ…。」
「いえ!休みます!友だちの星を、救います!」すぐにももはそう返した。
「そう!?助かるわ〜!なら、お願いするわ!」とおばあちゃんは喜んだ。
 そうして、次の日の朝、出発することになった。
 ももはしっかり休みを取り、4人も準備を済ませ、ロケットに乗りこんだ。「わあ〜!ロケットなんてはじめて!わくわくするっ!」とももは大コーフンしていた。4人も久しぶりのロケットに、わくわくしていた。みんなで発射ボタンを押すと、ゆっくり空へ浮かんだ。丸い窓から、だんだんと地上から離れていく様子が分かる。ももはずっと窓から景色を眺め、3姉妹はすきなことをしはじめた。おばあちゃんはイスに座りながら、次に行く「リンルン星」のことを考えていた。
 こうして、5人は次の星へと、進むのだった。