10分ぐらい経って、ようやく丸ノさんの家へと着いた。おばあちゃんがインターフォンを鳴らすと、すぐに「はーい」という声がして、ドアが開いた。おばあちゃん、そして3姉妹が丸ノさんの家へ入っていった。丸ノさんはおばあちゃんと同じ年で、髪の毛がくるんとして、ピアスを付けていた。4人がイスに座ると、丸ノさんも座った。
「それで、私に何の用かしらね?」丸ノさんがにっこりして4人に聞いた。
「キラリンタウンのことについてです。」とまずなそでいが言った。それから「時計の絵が変わったことについて、何か知らない?」とおばあちゃんが言った。
「ああ、あれのこと?ええ、知っているわ。」
「本当!!」
4人はぱあっと顔を輝かせた。
「実は、ちがう星に、あそこは支配されてしまっているの。」
「やっぱり!」となそでいはさけんだ。姉にしーっと言われると、なそでいは黙って聞いた。「どこの星とかは、詳しく分からないんだけど。多分悪だんズ星なんじゃないかと思っているの。」
「悪だんズ星?」3姉妹が口をそろえて聞いた。
「そう。ここからはちょっと離れたところにあるの。こことは大分ちがった星よ。時計にネコ形の絵が描かれていたでしょう?」
4人はこくんと頷いた。
「最近、その子たちに『なんで・キラリン星』は支配されはじめているのよ。」
急に丸ノさんは真剣な顔持ちになった。
「え…時計だけじゃないの…」小さな声でなそでいが尋ねた。
「ええ。あちこち支配がはじまっているわ。といっても、まだここら辺だけどね。」
「そ、その支配っていいの?悪いの?」おそるおそる、なるほどが尋ねた。
「アナタたちはどっちだと思う?」
丸ノさんはそう言って、4人の顔を1人ずつ見た。
「いいと思いたいけど…。」となそでい。
「悪いんじゃ…?」となるほど。
「悪いかもしれないわね。」ともるほど。
丸ノさんは少し間を置いてから、「悪い方なのよ。」と言った。
「どっどうしたらいいの?悪い支配って…?」
なそでいはわめきだした。なだめるようにもるほどはなそでいのことをなでた。
「まあ、そんなに焦らなくてよろしいのよ。まだ、全部ってわけじゃないからね。でもこのまま放っておくと、全部支配されかねないわ…。」
丸ノさんの言葉に、4人はぞっとした。
しばらくしゃべっていなかったおばあちゃんが、「どうすれば助かるの?」と言った。
「そう、その助かる方法というのがね、仲間がいなくちゃムリだと思うの。」
それから4人を見て、「アナタたちも手伝ってくださる?」と言った。
3姉妹は不安がいっぱいで、まず何をしたらいいのか聞いてから考えようと伝えた。
「そうね、今支配しているやつらを、追い出すの。」
「お、追い出す?」
「どうやって…」
更に3姉妹は不安に包まれた。
「いーい?よく聞いてね。色んな星から仲間を見つけ、みんなの力で追い出すの。
これはあくまで私の考えだけどね。どう?」
3姉妹はまだ不安があったので、もっと質問することに。
「色んな星から仲間って…?」
「このなんで・キラリン星には、他の星へ行けるロケットが1つあるの。それに乗って、色んな星へ行き、そこにいる子と仲間になるのよ!」
「そ、そんな急にムリです!」ともるほどが首を横にふった。
「でも今、自分の住んでいる星がピンチなのよ!」
「ピンチって、一体どんなピンチです?」となるほどが尋ねた。
「そうね、ここの星の子たちは、悪だんたちに奴隷扱いされているの。そしてなくなってしまった子は多い。完全に土地をやつらに操られているかんじね。」
3姉妹はそれを聞いて、ぞっとした。
どうしよう、このままじゃ、自分たちも…!そう思うと、やっぱり丸ノさんの作戦をやるしかなさそうだ。「わ、分かりました!やってみせます!」3姉妹は意を決心し、丸ノさんに伝えた。おばあちゃんは心配だからといって、着いてきてくれることになった。
そして丸ノさんにロケットの場所を教えてもらい、4人はそこへ走っていった。
これからどんな星に行って、どんな子と会えるかなというわくわくと、不安を抱えながら。



