2匹がお母さんの元に着くと、
「どうしたの?」
と聞きました。
お母さんは下の方を手で示しました。2匹が下を見下ろすと、1つの家が建っていました。
「え…家…もしや、人間…?」
とユニはすぐさま震えて言いました。
「それが…違うの!」
とお母さんが叫びました。と、ちょうど家のドアが開きました。2匹はよーくそこに目をやると、小さい白いものが出てきました。
「本当!人じゃないわ。もしや、おまめ?!」
今度はすぐさま興奮気味に言いました。
「おまめだったらキセキだぜ!」
コーンも興奮して言いました。
「ともかく、あそこへ行ってみましょう!」
興奮する2匹をなだめ、お母さんは言いました。
そして3匹は急いで1つの家へ向かいました。
そばへ行くと、家から音がしました。
3匹はさっき見た白い生き物を探しましたが、もういませんでした。
そして、3匹ががっかりしていると、家に電気がついたことに気がつきました。
まずはじめに、ユニが
「もしや、この家の中にいるんじゃないかしら!」
と叫びました。
続いてコーンが「そうかもしれない!入ってみようぜ!」
と興奮気味に言いました。お母さんを先頭に、3匹はドアの前に並びました。
意を決して、お母さんがドアを叩きました。
「あのう、すこしいいですか?」
お母さんの声と音に、中から声が聞こえてきました。そして、しばらくしてドアが開きました。家から出てきた生き物を見て、3匹はハッとしました。
そして白い方も、ユニコーンの3匹を見て、ハッとしました。
「アナタはもしや…本当におまめなのね!」
お母さんが叫びました。
「ええ、そうです!アナタ方もそうなのです?!」
初めて白い生き物が声を上げました。
「おう、そうだぜ!」
コーンが質問に答えました。
「まだ生き残っていたとは…!ちょっと家へ上がってくださいな。ゆっくり話しましょう!」
そう言って、白い生き物は3匹を家の中へ招き入れました。
お母さん、ユニ、コーンの順で入っていきました。
家の中はシンプルな造りで、玄関をまっすぐ行くと、テーブルとイスがありました。ユニ、コーンはイスに座れたものの、お母さんは大きすぎて座れず、床に座りました。白い生き物は、ここにしかないという、おマァメの実をくれました。4匹は実を頬張って、それから実からとったという汁を飲み干しました。喉が乾いていた3匹は、あっという間に飲みきってしまい、たくさんおかわりしました。落ち着いてきた頃、白い生き物がしゃべりだしました。
「わたくしはわかるです。ずっとここで家族と暮らしていたのですよ。」
「でも、今はいないの?アナタ1人?」
ユニはそう尋ねました。
すると、わかるの表情が一気に暗くなりました。
ユニは慌てて
「言いたくないのならいいわ!」
と言いました。
「いえ、だいじょうぶです。」
そう言って、わかるは力なく笑いました。そして、しゃべり続けました。
「わたくしは妻、子と過ごしていたのです。人間たちから逃げている時、運よくここへ来られたのです。しかし、いつだったか覚えていませんが、朝目を覚ますと、いなくなっていたのです。」
お母さんとユニは悲鳴を上げました。コーンは好奇心がくすぐられ、もっとくわしく知りたいと思いました。
「理由は?」
コーンが聞きました。
「分からないです…ずっと探しても見つからないのです…」
わかるは、うつむいたまま答えました。
「もうこの話はいいですね。それより、部屋を紹介しますよ!」
急に話題を変え、わかるは立ち上がりました。
お母さんとユニはホッとし、コーンは不満でした。
それぞれ部屋に案内されました。小さい家だったのに、たくさんの部屋があって、3匹は驚きました。一番広い部屋を、お母さんは案内してもらいました。
「まあ、あんなに小さい家に、こんな広い部屋があるなんて。一体何の部屋なの?」
感心して、お母さんは聞きました。わかるはその一言で、また気分が暗くなってしまいました。だって、ここの部屋は、家族の思い出の部屋なのです。下をむいて黙りこくるわかるに、お母さんは、いけないことを言ってしまったかと、ひやひやしました。ですが、すぐにわかるはお母さんの方を向いて、
「広いですよね!ここ、昔は家族全員で過ごせるところだったんです。」
と明るく言いました。よかった、落ちこんでなさそう…とお母さんはほっとしました。
一方ユニとコーンは、別の狭いところへ案内されました。
コーンは不服そうでしたが、ユニは気に入ったようです。
今まで、草むらで過ごしてきたので、床と壁があることに、もうテンションが上がりました。ユニはしばらく床で、足をぴょんぴょんさせました。けど、飽きてしまい、コーンのところへ遊びに行きました。しかし、コーンは中々ユニを入れようとしませんでした。なぜなら…
「ココ狭いのにお前も入ってきたら、大ヘンだ!」
というワケです。
それは正論でした。でしたので、ユニは反抗できることはなく、自分のところへ帰りました。初めは感動していた部屋ですが、すぐに気持ちは薄まり、草むらが恋しくなりました。部屋には基本物しかなく、遊べるものがありません。草むらなら、草で遊んだり、花で遊んだり、かけ回ったりできるのですが…。更には、コーンとのおしゃべりもできません。ユニは暇で仕方ありませんでした。寝ようかなとも思いましたが、ユニはすぐに寝れるタイプではないので、諦めました。暇だな〜…とゴロゴロ床に転がっていると、ユニはいいことを思いつきました。そうだ、お母さんの部屋は広いから、入ってもいい!そこにコーンを呼んで、おしゃべりしよう!!さっそく実行しようと、ユニは立ち上がりました。
そして隣の部屋のドアを叩きました。
何度ドアを叩いても、返事がありませんでした。
なので、呼びかけることにしました。
「コオオオーン!!おーい!!」
ようやく、ドアが開きました。
不機嫌なコーンが、出てきました。
「なンだよ、部屋には入れさせねーよ。」
呆れたように、コーンは言いました。
「違うの!お母さんのところへ行こうよって話」
むっとしてユニは言いました。
「は?何で?」
「何もない部屋1人、とても暇じゃなくて?多勢いいて、おしゃべりする方がよっぽど楽しいと思うの。」
「…たしかに…行くかあ。」
「っしゃ!!」
こうして2匹は、お母さんのところへ行きました。
お母さんのいる広い部屋へ行くと、わかるもいました。
広い部屋は本当に広くて、お母さん3匹分くらいです。真ん中にドーンとお母さんが座っていました。2匹を見て、びっくりしていました。
「あれ?ユニ、コーン、どうした?」
わかるも驚いていました。
「わたしたちもここにいてよろしい?」
ユニはにっこりして聞きました。
2匹はもちろんと言って、子2匹を迎入れました。
3匹がしゃべりあってるのを見ていたわかるは、突然ぽつんとつぶやきました。
「あの時のようだ…懐かしい。」
その声をコーンは聞き逃しませんでした。
すぐに、
「どういうこと?」
と聞きました。
聞かれたことに驚いたわかるは、説明しました。
「ここにおまめが集まっているのを見ると、昔のことを思い出すんだ。妻と子どもがここで楽しくしゃべっていたことを…。」
またわかるはうつむいてしまいました。
「ねえ、本当に何も分からないの?」
これは聞くチャンスだと思い、コーンは聞きました。
「え?妻と子どものこと?」
わかるはびっくりして、顔を上げました。
「そうさ。だって、突然おまめが消えるなんて…!」
「…分からないよ。分かっていたら、どんなによかっただろうね!わたくしにだって、分からないんですよ!!」
突然のわかるの怒鳴り声に、3匹は驚きました。
怒ったかと思うと、わかるは泣きだしてしまいました。
コーンはもっと聞きたかったのですが、これではムリだと、諦めました。
お母さんとユニは、わかるを慰めました。そしてユニは、コーンを叱りました。
「コーン、本当アンタって子は、心というものを知らないの!」
「知ってるぜ!」
むっとしてコーンは言いかえしました。が、
「知っていたら、あんなことを言わないでしょう?わかるさんは、あのことがトラウマってことが、分からないの?」
という言葉で、何も言えませんでした。たしかにそうだと思ったからです。自分の好奇心でわかるさんを傷つけてしまった…とコーンは反省しました。しばらくたって、ようやくわかるは落ち着きました。コーンは気まずくて、自分の部屋へと戻っていきました。ユニは残り、お母さんやわかるとのおしゃべりを楽しみました。
「どうしたの?」
と聞きました。
お母さんは下の方を手で示しました。2匹が下を見下ろすと、1つの家が建っていました。
「え…家…もしや、人間…?」
とユニはすぐさま震えて言いました。
「それが…違うの!」
とお母さんが叫びました。と、ちょうど家のドアが開きました。2匹はよーくそこに目をやると、小さい白いものが出てきました。
「本当!人じゃないわ。もしや、おまめ?!」
今度はすぐさま興奮気味に言いました。
「おまめだったらキセキだぜ!」
コーンも興奮して言いました。
「ともかく、あそこへ行ってみましょう!」
興奮する2匹をなだめ、お母さんは言いました。
そして3匹は急いで1つの家へ向かいました。
そばへ行くと、家から音がしました。
3匹はさっき見た白い生き物を探しましたが、もういませんでした。
そして、3匹ががっかりしていると、家に電気がついたことに気がつきました。
まずはじめに、ユニが
「もしや、この家の中にいるんじゃないかしら!」
と叫びました。
続いてコーンが「そうかもしれない!入ってみようぜ!」
と興奮気味に言いました。お母さんを先頭に、3匹はドアの前に並びました。
意を決して、お母さんがドアを叩きました。
「あのう、すこしいいですか?」
お母さんの声と音に、中から声が聞こえてきました。そして、しばらくしてドアが開きました。家から出てきた生き物を見て、3匹はハッとしました。
そして白い方も、ユニコーンの3匹を見て、ハッとしました。
「アナタはもしや…本当におまめなのね!」
お母さんが叫びました。
「ええ、そうです!アナタ方もそうなのです?!」
初めて白い生き物が声を上げました。
「おう、そうだぜ!」
コーンが質問に答えました。
「まだ生き残っていたとは…!ちょっと家へ上がってくださいな。ゆっくり話しましょう!」
そう言って、白い生き物は3匹を家の中へ招き入れました。
お母さん、ユニ、コーンの順で入っていきました。
家の中はシンプルな造りで、玄関をまっすぐ行くと、テーブルとイスがありました。ユニ、コーンはイスに座れたものの、お母さんは大きすぎて座れず、床に座りました。白い生き物は、ここにしかないという、おマァメの実をくれました。4匹は実を頬張って、それから実からとったという汁を飲み干しました。喉が乾いていた3匹は、あっという間に飲みきってしまい、たくさんおかわりしました。落ち着いてきた頃、白い生き物がしゃべりだしました。
「わたくしはわかるです。ずっとここで家族と暮らしていたのですよ。」
「でも、今はいないの?アナタ1人?」
ユニはそう尋ねました。
すると、わかるの表情が一気に暗くなりました。
ユニは慌てて
「言いたくないのならいいわ!」
と言いました。
「いえ、だいじょうぶです。」
そう言って、わかるは力なく笑いました。そして、しゃべり続けました。
「わたくしは妻、子と過ごしていたのです。人間たちから逃げている時、運よくここへ来られたのです。しかし、いつだったか覚えていませんが、朝目を覚ますと、いなくなっていたのです。」
お母さんとユニは悲鳴を上げました。コーンは好奇心がくすぐられ、もっとくわしく知りたいと思いました。
「理由は?」
コーンが聞きました。
「分からないです…ずっと探しても見つからないのです…」
わかるは、うつむいたまま答えました。
「もうこの話はいいですね。それより、部屋を紹介しますよ!」
急に話題を変え、わかるは立ち上がりました。
お母さんとユニはホッとし、コーンは不満でした。
それぞれ部屋に案内されました。小さい家だったのに、たくさんの部屋があって、3匹は驚きました。一番広い部屋を、お母さんは案内してもらいました。
「まあ、あんなに小さい家に、こんな広い部屋があるなんて。一体何の部屋なの?」
感心して、お母さんは聞きました。わかるはその一言で、また気分が暗くなってしまいました。だって、ここの部屋は、家族の思い出の部屋なのです。下をむいて黙りこくるわかるに、お母さんは、いけないことを言ってしまったかと、ひやひやしました。ですが、すぐにわかるはお母さんの方を向いて、
「広いですよね!ここ、昔は家族全員で過ごせるところだったんです。」
と明るく言いました。よかった、落ちこんでなさそう…とお母さんはほっとしました。
一方ユニとコーンは、別の狭いところへ案内されました。
コーンは不服そうでしたが、ユニは気に入ったようです。
今まで、草むらで過ごしてきたので、床と壁があることに、もうテンションが上がりました。ユニはしばらく床で、足をぴょんぴょんさせました。けど、飽きてしまい、コーンのところへ遊びに行きました。しかし、コーンは中々ユニを入れようとしませんでした。なぜなら…
「ココ狭いのにお前も入ってきたら、大ヘンだ!」
というワケです。
それは正論でした。でしたので、ユニは反抗できることはなく、自分のところへ帰りました。初めは感動していた部屋ですが、すぐに気持ちは薄まり、草むらが恋しくなりました。部屋には基本物しかなく、遊べるものがありません。草むらなら、草で遊んだり、花で遊んだり、かけ回ったりできるのですが…。更には、コーンとのおしゃべりもできません。ユニは暇で仕方ありませんでした。寝ようかなとも思いましたが、ユニはすぐに寝れるタイプではないので、諦めました。暇だな〜…とゴロゴロ床に転がっていると、ユニはいいことを思いつきました。そうだ、お母さんの部屋は広いから、入ってもいい!そこにコーンを呼んで、おしゃべりしよう!!さっそく実行しようと、ユニは立ち上がりました。
そして隣の部屋のドアを叩きました。
何度ドアを叩いても、返事がありませんでした。
なので、呼びかけることにしました。
「コオオオーン!!おーい!!」
ようやく、ドアが開きました。
不機嫌なコーンが、出てきました。
「なンだよ、部屋には入れさせねーよ。」
呆れたように、コーンは言いました。
「違うの!お母さんのところへ行こうよって話」
むっとしてユニは言いました。
「は?何で?」
「何もない部屋1人、とても暇じゃなくて?多勢いいて、おしゃべりする方がよっぽど楽しいと思うの。」
「…たしかに…行くかあ。」
「っしゃ!!」
こうして2匹は、お母さんのところへ行きました。
お母さんのいる広い部屋へ行くと、わかるもいました。
広い部屋は本当に広くて、お母さん3匹分くらいです。真ん中にドーンとお母さんが座っていました。2匹を見て、びっくりしていました。
「あれ?ユニ、コーン、どうした?」
わかるも驚いていました。
「わたしたちもここにいてよろしい?」
ユニはにっこりして聞きました。
2匹はもちろんと言って、子2匹を迎入れました。
3匹がしゃべりあってるのを見ていたわかるは、突然ぽつんとつぶやきました。
「あの時のようだ…懐かしい。」
その声をコーンは聞き逃しませんでした。
すぐに、
「どういうこと?」
と聞きました。
聞かれたことに驚いたわかるは、説明しました。
「ここにおまめが集まっているのを見ると、昔のことを思い出すんだ。妻と子どもがここで楽しくしゃべっていたことを…。」
またわかるはうつむいてしまいました。
「ねえ、本当に何も分からないの?」
これは聞くチャンスだと思い、コーンは聞きました。
「え?妻と子どものこと?」
わかるはびっくりして、顔を上げました。
「そうさ。だって、突然おまめが消えるなんて…!」
「…分からないよ。分かっていたら、どんなによかっただろうね!わたくしにだって、分からないんですよ!!」
突然のわかるの怒鳴り声に、3匹は驚きました。
怒ったかと思うと、わかるは泣きだしてしまいました。
コーンはもっと聞きたかったのですが、これではムリだと、諦めました。
お母さんとユニは、わかるを慰めました。そしてユニは、コーンを叱りました。
「コーン、本当アンタって子は、心というものを知らないの!」
「知ってるぜ!」
むっとしてコーンは言いかえしました。が、
「知っていたら、あんなことを言わないでしょう?わかるさんは、あのことがトラウマってことが、分からないの?」
という言葉で、何も言えませんでした。たしかにそうだと思ったからです。自分の好奇心でわかるさんを傷つけてしまった…とコーンは反省しました。しばらくたって、ようやくわかるは落ち着きました。コーンは気まずくて、自分の部屋へと戻っていきました。ユニは残り、お母さんやわかるとのおしゃべりを楽しみました。



