おまめ星大冒険!

自然じゃなくて、カミナリの鳴る音で、3匹は目を覚ましました。末っ子のなるほどは、怖がってもるほどに引っ付きました。なそでいはできるだけ平気そうに見せましたが、内心怖がっていました。カミナリは何度も鳴りひびきました。ちょっと治ると、3匹は体を起こして、辺りを見わたしました。
 地面は雲で、横には薄暗く、そこでカミナリが鳴っているようでした。
 3匹が探索していると、またカミナリは強く鳴りだしました。
 またなるほどは怯えて、もるほどに引っ付きました。でもそれでは歩けないので、せめて手を繋ぐことにしました。それからちょっとすると、またカミナリは弱くなりました。
 ずっとまっすぐ進んでいると、広いところに出ました。なんと、そこには、カミナリの形の家と、カミナリの生きものがいました!カミナリの生きものの体は、ビリビリしていて、触れると痛そうです。そして、色んなところで、カミナリが鳴っていました。そのたび、なるほどはもるほどにしがみついて、なそでいも内心怯えているのでした。もるほどが勇気を出して1匹のカミナリの生きものに話しかけました。
「えっと…私もるほどっていいます。妹たちと旅をしてるんですが…ココってカミナリの都ですか?」
 カミナリの生きものはもるほどをギラリとにらんで
「アアン?何ンだテメエ。」
 とビリビリした声で怒鳴りました。
 なそでいとなるほどがさっともるほどのうしろに逃げました。
「えっと、だから…。」
 挫けずもるほどは言おうとしました。
 その時、カミナリの生きものの集団がバイクで側を通りました。
 そのバイクになるほどの足が当たってしまったようで、1匹のカミナリの生きものが降りてくると、なるほどをにらみました。
「ぶつかったよね?アンタ。どう弁償してくれんのさ?」
「ひいっ」
 思わずなるほどは悲鳴を上げました。今すぐに逃げだして泣きたい気分です。
「ねえ、聞いてんのかい?」
「うう…っ」
 その時、1匹の声がしました。
「やめなさい、アンタたち。」
 そのとたん、カミナリの集団はさーっと逃げていきました。
 もるほどとしゃべっていたカミナリの生きものも、
「じゃあ…」
 と慌てていなくなりました。3匹はばっと、助っ人を見ました。
 ユニコーンのような体に、頭の上にサングラス、首にトゲトゲしてる毛で、足や手にわっかをしていました。
「や、ウチのものがすまんね。」
 3匹はさっきは気がつかなかったけど、この生きものも、音が声になったみたいです。そして、きっとこの子がカミナリノカミだと思いました。
「アナタが、ココの女神さま?」
 おそるおそるなそでいが尋ねました。
「うん。ところで、ココへ何の用かな?」
 カミナリノカミが答えました。
「えっと…宝を探しに…。」
「宝?ふうん。じゃ、コレとかどう?」
 カミナリノカミが自分の腕にしてあるわっかを指して言いました。
「えっだってそれはアナタので…!」
「いっぱい持ってるからだいじょうぶ。はい、どーぞ。」
 なそでいはカミナリノカミからわっかを受けとりました。
「それはね、腕にはめると、電気の魔法が使えるんだ。こう唱えるとね。カミナーリアリノマーリビーリビーリ」
 言いおえたとたん、カミナリノカミの周りに、ビリビリした黄色いものが出てきました。
「すごい!」
 なそでいは感心していたけど、他2匹は怖がっているようでした。
 そして、すっと周りの魔法が消えていきました。
「ありがとう、カミナリノカミさま。これは宝だわ!」
 なそでいがさっそ付けて言いました。
 そして、自分の荷もつに入れました。
「じゃあ、つぎはどこへ行けばいいかしら?」
「うーん…。あっ、そういや、どんくらい宝、集まったの?」
「えっ?うーん…じゃあ見せてあげるわ!」
 なそでいは荷もつを開けると、これまで集めてきた宝を見せました。それを目を輝かせて、カミナリノカミが見ました。
 1つ1つ、どうやって手に入れたか、説明しました。
「これだけありゃ、十分だよ。」
 と満足そうにカミナリノカミが言いました。
「…そう?たしかに。もうけっこう家を出てから経つかも…。」
 ちょっと考えてからなそでいが言いました。
「もう、家へ帰ったらどうだ。」
「うん、そうする。」
「で、アンタのウチってどこだ?」
「えっ、なんで・キラリン星だけど…。」
「任せろ!」
「えっ、送ってくれるの!」
「うん。じゃ、ウチの背に、3匹とも乗りな!」
 荷もつを持って、3匹は乗りました。もるほどはなるほどが怖がるかと思いましたが、実際はその逆でむしろ喜んでいました。

 そして、故郷へ帰ることになりました。