おまめ星大冒険!

辺りを見わたすと、ももの形の建物がたくさんありました。そして、歩いているももの形の生きものがたくさんいます。でも、なそでいは驚きませんでした。ちょうど、おまめ星の本に、ココのことが書かれていたのです。そして、本物を見て、なそでいは大コーフン。もるほどとなるほども、初めて見るものに目を輝かせました。そして、1つの看板に、もも国と書かれていました。やっぱり、本で見たところで間違いなさそうです。本でもも国というところがあり、こんなんだよーと紹介されていたのです。記憶力のいいなそでいは、きちんと覚えていました。
 3姉妹は、1つの家が目に入りました。
 他のももの形の家と形は一緒なのですが、その上にベレー帽がのっているのです。3姉妹はその家に近づいていきました。そして、ドアに看板がかかっているのに気がつきました。看板には
 お絵描き教室 もも
 と書かれていました。
「へえ、ここはお絵描き教室なの!」
 もるほどが言いました。
 そして、もるほどがドアをコンコンとたたくと、ドアが開いて、ももの生きものが出てきました。
 ももの生きものは3姉妹を見ると、びっくりして言いました。
「わっ珍しいお客さん!とりあえず、上がって、上がって。」
 ももの生きものにつづいて、3姉妹は入っていきました。
 中へ入ると、小さな部屋がありました。
 そして、テーブルとイスがあり、みんなイスに座りました。
「アナタたちは、たしかト族だよね?本で見たことがあったけど、本当に会えるなんて!」
 ももの生きものが嬉しそうに言いました。
「ところで、アナタたち、名前は?わたし、ももっていうの。よろしく。」
「私、長女のもるほど。」
「あたし、末っ子のなるほど!」
「わたしは、次女のなそでいです!」
 3姉妹が言いおわると、ももは顔を輝かせて言いました。
「ねえ、もるほど、なるほど、なそでい。ちょっと頼みたいことがあるの!」
「え、何?」
 3姉妹が同時に聞きました。
 思わずももはくすっと笑ってしまいました。
「えっとね、アナタたちのことを絵に描かせていただきたいの。ポーズを取って、じっとしてくれればいいんだけど…。
 もちろん、お礼するよ!どう?」
 ちょっと考えてから、3姉妹全員がOKを出しました。
 奥の部屋へ行くと、色々なものが置かれていました。
 絵の具、パレット、鉛筆、紙、クレヨン、水彩絵具、ペン…。
 そのものたちを端によせて、ももは隙間をつくりました。
 そのスペースに、3姉妹は立ちました。
 ももは急いで描く準備に取りかかると、ポーズの合図を出しました。3姉妹は自由にポーズを取りました。その隙に、ももは急いで筆を動かしました。
 そして、数分も経たないうち、完成しました。
 ももは3姉妹に描いた絵を見せてくれました。
 カラフルなタッチで、3姉妹が生き生きと描かれていました。今にも動きそうな絵に、3姉妹は釘づけになりました。
 3姉妹がお礼を言うと、もももこちらこそ、とお礼を言ってくれました。そして部屋の隅にある倉庫から何かを取りだすと、なそでいにくれました。
「わあ、なにコレ!」
 思わずなそでいは声を上げました。
 ももがくれたのは、キンピカに光っている小さなももでした。
「それはね、とっても貴重なものなの。フシギな力が宿っているの。」
 ももがにっこりして答えました。
「ええ、そんなものもらっていいの!」
「もちろん、いいよ。わたしは何も使わないし、ちょうど誰かにあげようって、思ってたトコだったんだよ。」
「そうだったんですか、ありがとうございます!」
 もるほどがももにお辞儀して言いました。
「敬語じゃなくていいよ。もう、友だちなんだから。」
 そう言ってもらえて、3姉妹は嬉しく思いました。
 そして、なるほどが尋ねました。
「ももって、絵の教室を開いてるの?すごいね。」
「うん。わたし、絵を描くのが好きで、みんなにも教えたいと思って開いたの。あと、イラストレーターをしてるんだ。」
 イラストレーターなんて、すごい、と3姉妹は思いましたので、拍手しました。
 ももは照れてから、そういえばというふうに聞きました。
「アナタたち、何でココへ?」
「お宝を探しに来たの!」
 堂々となそでいが答えました。
「へえ、素敵。見つかるといいね!ココのお宝って、何だろな…。」
「やだ、もうもらったわよ。」
「えっどこで?」
「今、ここでよ。ももがくれたでしょ。」
「あ、あれ、そっかあ…お宝だね!」
 会話がおわると、なそでいは持っていたキンピカのももを、荷もつ入れの中に入れました。そして、地図を出しました。
「つぎはどこへ行ったらいいかなあ。」
 となそでいが地図を見ながらつぶやきました。
「ええー、もう行っちゃうの!」
 とももが残念そうに言いました。
「だって、もうGETできたもの。おすすめのところとかある?」
 ももがなそでいと地図を覗きこみました。
「うーん、あっここはどう?リンルン星。わたしの友だちが住んでるんだけど、伝説の(スター)っていうのがあるらしいよ!」
「えっ本当に!じゃあ、行く!」
 もうなそでいは目を輝かせて、行こうとしています。
「ちょ、ちょっと待ちなさいなそでい!」
 もるほどが慌ててなそでいを止めました。
「場所も行き方もまだ分からないのに…」
 ぶすっとしてなそでいが行こうとするのをやめました。
 ももはちょっとくすっと笑うと、
「ココがリンルン星。もも星の端っこに、ワープのトビラがあるから、そこから行くの。」
 と教えてくれました。
 3姉妹はももの部屋で話し合いをしました。
 色々言い合った結果、今日行く派が2匹で明日行く派が1人という、2対1になり、今日行くことにしました。
 荷もつを持って、先頭になそでい、つづいてもるほど、最後になるほどという順で列を組みました。そして、ももにお礼とお別れをして、3姉妹は出発しました。

 もも国の端っこのワープのトビラに着くまで、相当かかりました。
 出発したのが朝だったのに、もうお昼くらいです。
 3姉妹の体力がつきそうな頃、やっとのことで着きました。
 3匹はおなかが空いていたので、それぞれ荷もつから食べものを取り、頬張りました。喉も乾いていたので、汁をたくさん飲むと、おなかがいっぱいになりました。そしてすこしぼーっとして休憩してから、ワープのトビラの中へと入っていきました。