スマホでアプリを探していたら出会った。コミニケーションアプリ、『MOMO』に。
そこで君と出会えたーーこれはきっと運命だ。

電子の向こうがわ

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1人、部屋でゴロゴロと過ごしていた。
今日は平日の水曜日。
普通なら学校に行っているはず。
だけど、わたしは不登校だから、家にいる。
不登校となると、相当な自由時間が得られる。
なので、スマホに新しいアプリを迎いいれることにした。
アプリストアを開くと、色々なアイコンのアプリが出てきた。
しばらくスライドしながら見ていると、ふと手を止めた。
ピンクに白い文字で『MOMO』と書かれているアイコン。
わたしはアイコンをタップし、詳細を見た。
紹介文には『今注目度No.1の人気コミニケーションアプリ!簡単に誰とでもコミニケーションが取れる!』と書かれていた。
ちょうど友だちが欲しかったわたしは、このアプリがいいと思った。
ダウンロードボタンを押して、ちょっとするとホーム画面に追加されていた。
起動してみると、説明が出てきたのでよく読んだ。
説明がおわると、わたしは自分のプロフィール作りに取りくんだ。
アイコンやヘッダー、紹介文などを設定して…
名前は本名じゃ危ないので、『ポポミ』にした。
アイコンやヘッダーは自分で描いたイラストにした。
自己紹介文には大まかな紹介を書いた。
プロフィールの設定がおわり、わたしは他の人のを見てみた。
自分から友だちになりたい人に、『友だち申請』すればいいらしい。
だけど、わたしはネットでも自分からは気が引けて、結局誰とも友だちにならなかった。
わたしが不登校になった原因は、人間関係だった。
気が弱くコミュ障なわたしは、まるで正反対の女の子たちにいじめられていた。
そのせいで学校に行くのが辛くなり、今の不登校になった。
お母さんはわたしを責めないで、受けいれてくれた。
友だちなんてつくらない、と思っていたわたしが友だちをつくりたいと思うようになったのは、不登校になってからだった。
こんな自分を変えたくて、それには友だちをつくる必要があると思った。
でも現実ではムリだし、ネットなら平気だと思った。
わたしはお母さん以外としゃべる時、声が小さくなってしまう。
それで聞きとってもらえなくて、最後には嫌われるという始末。
ネットは文字を打てばみんな同じだし、分からないということはない。
だからだいじょうぶだと思った。
が…
申請を送る勇気がない。
色々と考えてしまって、結局諦めてしまう。その繰り返し。
もう申請を送ることは諦め、自分に申請がきたらその人と友だちになろうと思った。
(わたしなんかにくるのか……?いや、ネガティブダメ!)
わたしはMOMOを閉じ、YouTubeを開いた。
登録している欄から、ゆるオリを選ぶ。
ちょうど新しい動画が出ていた。

YouTubeというものは、本当に止まらない。
気がつくと、もう3時間も見ていた。
そろそろ休憩しなくちゃと思い、スマホの電源を切った。
ベットから床に移動し、イスに座った。
つくえにばら撒かれているマンガコンテストに出す用の原稿用紙を集め、つづきを描くことにした。

お母さんにお昼で呼ばれ、リビングに向かった。
お昼ごはんはパスタだった。
おかわりもして、おなかいっぱいになった。
「ごちそうさまでした!」
部屋に戻ると、スマホを見た。
MOMOにはまだ何もきていなかった。

お風呂に入り、夜ごはんを食べると、あっという間に寝る時間になった。
ベットの中で(明日には友だち申請きてるかな?そうしたらどうしよう…)とMOMOについて考えていた。