(いえ)(かえ)り、手洗(てあら)いうがいをして、自分(じぶん)部屋(へや)にある水色(みずいろ)のベッドにぼふっと()()んだ。

(わたし)、どうして一ノ瀬(いちのせ)くんのことで(あたま)がいっぱいなんだろ…?

(いま)までも男子(だんし)(いや)なことをされて、(こわ)くて(あたま)がいっぱいになっちゃったことはあったけれど、不思議(ふしぎ)恐怖(きょうふ)(かん)じなかった。

あの()()()った瞬間(しゅんかん)も…。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

また(おも)()して()ずかしくなった。

()(まくら)()いてジタバタしていたら、

冬歌(ふゆか)うるさい!(なん)かあったの!?」

(かあ)さんに()うつもりは()かったから、

「な、なんでもなーい!」

(こた)えておいた。

明日一ノ瀬(あしたいちのせ)くんに()うのちょっと()まずいな…。(おな)じクラスだし…。

冬歌(ふゆか)ー。夕飯(ゆうはん)よー。」

よし、今夜(こんや)(なに)(かんが)えずに()よう!

そう(こころ)()めて、

「はーーーい!今行(いまい)くーーー!」

(ちから)いっぱい返事(へんじ)をした。