今日は一時間目時間目から体育だった。
冬の月曜日の一時間目はたしかに辛い。でも何気に体育は好きだ。
今日の体育は走り幅跳びだった。男女に分かれて跳ぶ。
宮野先生は、先に男子に説明をしてから女子の方にも来た。集まって、と言われて、私たちは宮野先生の近くに行った。たまたまだが、私は宮野先生の目の前にいた。最悪だ、と思った。
私は金曜日に宮野先生に可愛い彼女がいるという事実を知って、宮野先生なんて忘れよう、と思っていたからだ。
なんでだろうか、そんな時に限って上手くいかないものだ。指名されてしまったのだ。
測定の仕方の説明のために、軽く飛んでくれ、と言われた。凄くびっくりしたが、最近仲が良い「永倉」が冷やかしてきたから我に返れた気がした。
宮野先生は何も分かってない。きっと私が宮野先生のことを本気で好きだなんて思っていない。
この前は体育で柔道をやったが、その時だってそうだ。
私は柔道で前髪が邪魔にならないように、ポンパドールにしていた。私は幼稚園の頃から小学生まで、体操を習っていたから、授業でやる大体のことはできた。そのおかげで宮野先生はよく褒めてくれた。嬉しかった。頑張ってきたことを評価されたのが。でもそのまま嬉しいままではいられなかった。宮野先生が自分の頭をツンツン、として、
「今日前髪上げてんだ?いいじゃん。」
……は?本気だったら訴えられるのでは?と思った。また、その日の給食の時に廊下ですれ違った時なんかは、
「柔道終わったのに上げてんの?似合ってるよ。」
期待してしまうではないか。まだまだある。
私はソフトテニス部に所属している。
ある日の放課後、今日は宮野先生と話せなかったな、と考えながらボールを拾っていた。
声がした。
「今日前髪下ろしてんだ。」
びっくりしすぎて戸惑ってしまった。そして私はずっと言えていなかったことを言った。
「宮野先生も髪めっちゃかっこいいです!」
宮野先生は前の日に髪を切っていた。かっこいいってずっと言えていなかった。やば〜言っちゃった〜なんて考えてられたのもつかの間、
「え〜?今松田の話してるんだよ〜笑」
そう言いながら照れていた。え、?流石にかっこよすぎた。あれは絶対誰でも惚れる。
回想はここまでにして本題に戻るが、とにかく宮野先生は何も分かっていなくて、彼女がいるならもう少し女子生徒への対応を考えてみたらどうだろうか。まあ所詮私達は中学生なので、そんなことを言える立場でもなく。