幼なじみは、私だけに甘い番犬


 やだやだやだ。
 考えたくもない。
 あの子(美咲)みたいな子たちと、キスもハグも……その先も、してたんじゃない?
 だから、あの旅行の時だって、ベッドに押し倒されても動じなかったんじゃないの?

 そうだ、きっとそうだよ。
 こんなにもイケメンなんだもん。
 黙ってれば、女の子は寄って来るよ。
 
「何だよ。何で睨むんだよ」

 無意識に距離を取って、玄希を睨んでいた。

「玄希、……初めてじゃないでしょ」
「……何が?……キスか?」

 ほらね。
 図星じゃん。
 全く焦る様子なんて皆無だもんね。

「当たり前だろ。とっくの昔に済ませて……」
「やだやだやだっ、聞きたくない!」
「あのな~」

 とっくの昔って、いつ?
 中学生の時?
 それとも、小学生の時?!

 そりゃあ、昔からモテたのは知ってるけど。
 特定の子と仲良くしてるところなんて、見たことないよ!

「おいっ、何で泣くんだよ。意味分かんねーぞ」

 知らず知らずのうちに涙が頬を伝っていたようで、玄希は溜息交じりに涙を拭い始めた。