幼なじみは、私だけに甘い番犬


 こういう時の玄希は超俺様だから、何を言っても通じない。
 それに、ちょっと意識してる自分がいる。

 僅かに振り返るように顔を傾けると、玄希の顔が物凄く近くあることに気付く。
 だって、頬に彼の息がかかってるんだもん。
 途端にドキドキと心臓が早鐘を打って、密着している部分から鼓動が伝わるんじゃないかと気が気じゃない。

「おい、この状況で空気読んで目瞑るとか出来ねーのかよ」
「っ……」

 それって、キスさせろってことじゃない。
 本当に意地悪で我が儘なんだから。
 さっきはしてくれなかったのに。

 だけど、何でだろう。
 前ほど嫌じゃないのは。
 グレープフルーツ事件の後からかな。
 玄希に触れられるのも、こうして自己中だけど愛情示してくれるの、嫌だと思わなくなったんだよね。
 むしろ、触れて欲しいとさえ思ってしまう。

 私、相当毒されてるかも。
 
 そっと瞼を閉じると、優しく唇が塞がれた。
 しかも、触れる部分が熱くて、どんどん深いキスに変化してゆく。

 絡められた舌先の余韻にのまれていると……。

「やべ、超エロい顔」
「っ……」

 今自分がどんな顔をしているのかすら分からない。
 ってか、玄希は何でこんなにも余裕でキスが上手いの?

 急に背筋がスーッと寒気を帯びる。
 私の知らない3年の間に、もしかしてこういう経験を沢山してたんじゃないの?

「ちょっと、離してっ」
「おっ……何だよ、急に」