「椰子、ちょっと立ってみ?」
「え?」
『何だろう?』と思ってゆっくりと立ちあがった、その時。
私が着ているラッシュガードのファスナー部分がジジジッと下ろされた。
「おおおっ、めっちゃガーリータイプじゃん」
「っっっっ~~っ」
「フリルの下、どんなんになってんの?」
玄希は興味津々といわんばかりに、胸元のフリル部分を遠慮なしに捲った。
タータンチェック柄のタンキニは、胸元部分が大きなフリル状になっていて、一見胸の凹凸が分かりにくいデザイン。
だけど、今みたいにフリル部分を捲られたら、当然のように胸の形状がバレるじゃない!!
「ちょっ……、何してんの?!」
「発育チェック」
「はぁぁぁああ?!」
「彼氏なんだから、別にいいじゃん、これくらい」
「意味わかんないから!」
「触りたいのを我慢してやってんだから、有難いと思え」
「なっ……」
琴ちゃんみたいにグラマーじゃないし、まだ発展途上で自信がないのに……。
こんな堂々と、発育チェックする彼氏がいる?!
しかも何でこんなに唐突に!!
真面目に『彼カノ』に関して考えていたのがバカみたいじゃない。
「もういいでしょ!」
玄希に背を向けるようにして、下ろされたファスナーを素早く元に戻した。
すると、隙あり!と言わんばかりに、後ろから長い腕が伸びて来て、ぎゅっと抱きしめられる。
背中越しに伝わって来る、硬い胸板。
玄希が男子なんだと、実感させられる。
「こっち向いて」
「やだ」
「無理やり向かせるぞ」
「っ……」



