昼休み、2組の教室(椰子たちのクラス)で、空いている机を寄せ集めて、お昼ご飯を食べるスペースを作る。
最近は玄希も一緒に食べるようになって、うちのクラスの女の子たちが色めき立ってるんだよね。
お弁当を広げている椰子と龍斗と琴乃。
すると、『先に食べてて』という玄希からのメールが届いた。
「玄希、少し遅れて来るみたい」
「また、告白じゃない?」
「え?」
「あれ、椰子知らないの?昨日の理科室移動の休み時間に、渡り廊下の所で告られてたよ」
「……そうなんだ」
「まぁ、見た目があれだしね、性格は抜きにしてもモテ要素は満載だよね」
「……」
「椰子ちゃん心配?」
「いや、……心配というか、失念してたというか」
「大丈夫でしょ。椰子しか眼中にないから」
「分かんねーよ?あいつだって男だし」
確かにイケメンだし、勉強はできるし、スポーツも万能だし。
この春、突如現れたイケメン男子高生に女の子たちの的になるのは分かるけれど……。
「でもさ、長谷川はちゃんと『彼女がいる』って言ってるよね?」
「……うん」
「俺と付き合ってるって思ってる子も未だにいるみたいだけど」
「最近、奥村さんたちの視線がちょっときついのって、やっぱりそれ系かね」
「……琴ちゃんも感じる?」
「あれ、絶対わざとだよ」



