幼なじみは、私だけに甘い番犬


『夕食前に露天風呂に入ろう』と千穂さんに誘われ、二人で女性用の露天風呂へと。
 美咲さんも誘おうとしたのだけれど、ちょうど部屋にいなかったこともあって、メモを残して来た。

 家族用のコテージだから、露天風呂といってもそれほど大きくはない。
 内風呂の他に4~5人が入れる程度の檜風呂が、目隠しされた屋外にあって、波音と潮風を感じながらまったりと浸かるタイプのお風呂だ。

「美咲さんも玄希くんと同じ大学病院に入院してて、ちょうど手術の時期が一緒だったから、病室は別だったけど、何かと病棟で顔を合わせてたらしくて。2歳下というのもあって、玄希くんが勉強を教えてたみたいよ」
「……そうなんだ」
「同世代の子がいなかったんじゃないかな~他に。だから、余計に玄希くんとの縁みたいなのを強く感じてるのかも」
「……」
「さっき拓から聞いたけど、玄希くんは別に『好き』とか、そういう感情はないっぽいって」
「……べ、別に……玄希に元カノがいたとしても、私がどうこう言える立場じゃないし……」
「私は2人、お似合いだと思うけどな~」

 体と髪を洗い終わり、露天風呂に向かおうとした、その時。
 ガラガラッと扉が開き、フェイスタオルで前を隠した美咲さんが入って来た。

「わぁ~、檜のめっちゃええ香りがする~~」

 無意識に目で追ってしまった。
 車内で見た時も思ったけれど、予想以上にバストが豊かで。
 椰子は思わず自分の胸をタオルで覆い隠した。