幼なじみは、私だけに甘い番犬


「龍斗は何で部活に入んなかったの?都大会まで行ったんなら、スカウトくらい来たんじゃねーの?」
「まぁ、無くは無かったけど。今しか出来ないことしたかったしさ」
「例えば?」
「バイトとか……恋とか?」
「…………」

 龍斗の返答に、緑茶を口にしていた玄希はパッと視線を持ち上げた。

「好きな子、いんの?」
「……うん、いるよ」
「どんな子?どこの高校に通ってんの?告ったの?」
「高校生限定かよ」
「……え、中学生?いや、大学生か?!」
「ぷっ、驚きすぎ」
「いや、驚くだろ」
「普通に高校生だよ」
「女子……だよな?」
「は?……いや、そこは女の子でいいでしょ。何、俺をゲイ認定したいわけ?」
「いや、普通に話してくれないところを考えたら、そういう答えもあるかと思って」
「何か、久しぶりに玄希の妄想ワールド堪能させて貰ったわ」
「あ?」
「お前、椰子ちゃんのことになると、思考がヤバい方向にぶっ飛ぶじゃん」
「……」
「琴乃ちゃんと2人で帰るはずが、委員会で一緒に帰れなくなって、椰子ちゃんが1人で帰ったと知った時の玄希。あれはマジでヤバかったって」
「……」