年明けの1月下旬。
あまりの腹痛に耐え切れず、深夜に両親に付き添って貰い救急外来を受診。
医師から告げられたのは、肝臓の悪化だった。
肝不全になりつつある状態で、このままでは余命一年も持たないという宣告。
投薬やカテーテルの手術などをしても、肝臓自体が回復する見込みはほぼ無い。
残された治療は、肝臓移植しかないと言われた。
肝臓は親や兄弟などから生体肝移植が可能な事と、脳死の方から臓器を提供して貰える方法の2種類を教わり、すぐさまレシピエント登録をした上で、俺の両親は適合検査を受けた。
明日は我が身という言葉があるように。
本当に人生何が起こるか分からない。
唯一救いだったのは、遺伝的なものではないと言われ、両親の心の負担を軽くする事が出来たんじゃないかと思う。
そして、肝移植外来がある、関西の大学病院を紹介された。
これが、俺の家族が引っ越した理由だ。
(引っ越す前の回想シーン終)
***
(引っ越した後の回想シーン)
中学3年に上がるタイミングで引っ越した。
大学病院に程近いマンションを借りて生活し、高校も徒歩圏内で通える府立高校。
治療に専念し、通えない日はレポートなどで補填した。
元々勉強は出来る方だったから、助かったというのもある。
そして、夏休みを使って、生体肝移植手術が行われた。



