幼なじみは、私だけに甘い番犬


「毎日、俺を思い出したか?」
「っっ……べ、別に、毎日じゃ……」

 動揺を隠すように顔を逸らした、次の瞬間。

「んっ……」

 フッと体が傾いたと思ったら、ベッドに押し倒されていた。
 目の前には、少し大人の色香を滲ませた整った美顔が私を見下ろしている。

「俺の女になるか?」
「…………へ?」
「俺の彼女にしてやるよ」
「え、ちょっ……何、急に」
「触れたくなるほど恋しくて、毎日大事にヘアブラシを使って、俺が忘れられなかったんだろ?」
「っっ……」

 言葉に語弊ある。
 あんなキスして(髪にだけど)、意味深なこと呟いて、突然いなくなったらそりゃあ気になるわよ!

 それじゃなくたって、毎日隣りにいるのが当たり前で。
 いなくなるだなんて、これっぽっちも考えたことなかったのに。

「それとも、嫁になるか?」
「は?ちょっ……何、いきなり冗談言わないでよ」
「冗談言ってる顔に見えんのか?」
「え、本気なの?」
「俺がここに戻るまで、どんだけ頑張ったと思ってんだよ」

 僅かに顔が歪み、切なそうな瞳で見下ろしてくる。