幼なじみは、私だけに甘い番犬


 がしっと手が掴まれた。

 ゆっくりと開かれた瞳と視線が交わる。

「会わない間に、随分大胆になったんだな」
「ッ?!」
「こういう熱烈な歓迎も、悪くない」
「っっ」
「ただいま」
「…………おかえり」

 何とも言えない空気が漂う。
 久しぶりというのもあるし、距離が近いというのもあると思う。

 どうしていいのか分からず、とりあえず掴まれている手を無理やり引っ込めた。

「元気にしてたか?」
「……うん。玄希は?」
「…………まぁ、それなりに?」
「何それ」

 上半身を起こして、ベッドに座り直した玄希。
 あの日と同じように、椰子の髪を一房掬う。

「随分真っすぐになったんだな」
「あ、これは……、ヘアアイロンで伸ばしてるから」
「へぇ~」
「玄希から貰ったブラシも、毎日使ってるし」
「……へぇ」
「ホントだよ?」

 小首を傾げて含み笑いをした彼は、3年前と変わらぬ優しい眼差しで私の髪にキスをした。
 思わず、体がビクッと震えた。