誰にも見せてないなら、私が最初に見たい。
ううん、違う。
私以外に見せて欲しくない。
同級生の男友達にすら見せてない傷を、私だけが知っていたい。
それが独占欲なのか、自己満足なのかは分からないけれど。
今は安心材料が1つでも多く欲しい。
玄希は戸惑いながらも、上着のファスナーを下ろしてくれた。
「結構残ってるんだね」
「年数が経てば、少しずつ目立たなくなるって」
「そうなんだ」
腹部にL字型の手術痕があった。
物凄く大手術だったんだと、傷の大きさからしても想像できる。
「もういいか?」
「待って。……触ってもいい?」
「は?」
「ちょっとでいいから、触らせて」
傷口は3年経っているから、完全に塞がっているし、部分的には目立たなくなっているところもある。
「それで椰子が満足すんなら、好きなだけ触っていいよ」
「……ありがと」
恐る恐るそっと傷口に触れる。
少し凸凹してて、所々攣れているような感じがしなくもないけれど。
「痛くはないの?」
「フッ、当たり前だろ。3年経ってんだから」
「……そうだよね」
玄希の体温が指先から伝わって来る。
前はうちで夕飯を食べて、お風呂に入ると、必ず上半身裸でリビングをウロウロしてたけど。
今はぱったりとそれが無くなっている。
たぶん、これを見せたくなくて気を遣っているのだと思うけれど。
「おいっ、……何してんだよ」
「少しの間、じっとしてて」



