「な、何?‥‥ビックリした‥」
ドアが開いた音にも気付かなかったのに
凪がそこに立っていて驚く
『もう大丈夫そうならちょっと
こっちに来いよ。』
「えっ?で、でも‥そこに入ったら
ダメなんじゃ‥」
『フッ‥一緒に寝ておいて今更かよ‥。
これサンキュ‥腹減ってるから
食べるわ。』
寝ておいてって‥‥別に
そういう意味じゃないのに、クスっと
笑う凪から目を逸らす
「‥ッ‥じゃあ珈琲淹れてくる。」
凪の珈琲と自分の分のハーブティーを
淹れてから一階に戻ると、初めて
ちゃんと入る工房をグルリと見渡した
すごくいい木の香り‥‥
凪はいつもここで素敵な家具を作って
るんだな‥‥‥羨ましい‥‥
隅々に置かれた可愛いウォールナット
の飾り棚やバーチ材、楢の木など、
ここは様々な無垢材が置かれていて
癒される
「はい‥珈琲‥熱いから気をつけて。」
『ん‥‥サンキュ。‥‥さっきは
悪かったな。』
えっ?
凪が椅子を用意してくれてそこに
腰掛けると、まっすぐ私を見て
いきなり謝ってきたので焦る
『お前の知り合いのことを言ったから、
苦しくなったんだろ?』
凪‥‥‥
いつも必要以上に話さないのに、
凪には何でもお見通しだよね‥‥
マグカップを両手で握ると小さく
その場で頷いた
生きてきて、何もかも諦めていた私が、
初めて執着したのが酒向さんだ‥‥
あの人のことを考えると、胸が苦しくて
堪らなくなるほどに‥‥
『見る?』
机のファイルから、紙を取り出し
私にスッと差し出したので、気になり
受け取ると見た途端にすぐに何かが
分かった。
まだここに来て1年も経ってないのに
もう懐かしいと思うなんて‥‥
ここで酒向さんと一緒にご飯を作って、
食べて、沢山色々な話をして笑ったな‥
目を通して見ていくと、縁側のテーブル
の上に置かれていた苔玉を見つけて
それだけで胸が苦しくなった
『その部屋に合うテーブルと椅子、
お前ならどの木材を使う?』
「えっ!?そんないきなり言われても
‥‥‥でもここは日差しがよく入る
温かい場所だからチークやナラとか
だと似合いそう‥‥いいなぁ‥‥」
もう私がそこに訪れることはないけれど
そのことは抜きにしても凪の温かみの
ある家具が置かれるのは嬉しい‥
凪が私を見ていることなんて知らずに、
ずっとそれを見ていると、手から紙が
抜き取られファイルにしまわれて
しまった。
ドアが開いた音にも気付かなかったのに
凪がそこに立っていて驚く
『もう大丈夫そうならちょっと
こっちに来いよ。』
「えっ?で、でも‥そこに入ったら
ダメなんじゃ‥」
『フッ‥一緒に寝ておいて今更かよ‥。
これサンキュ‥腹減ってるから
食べるわ。』
寝ておいてって‥‥別に
そういう意味じゃないのに、クスっと
笑う凪から目を逸らす
「‥ッ‥じゃあ珈琲淹れてくる。」
凪の珈琲と自分の分のハーブティーを
淹れてから一階に戻ると、初めて
ちゃんと入る工房をグルリと見渡した
すごくいい木の香り‥‥
凪はいつもここで素敵な家具を作って
るんだな‥‥‥羨ましい‥‥
隅々に置かれた可愛いウォールナット
の飾り棚やバーチ材、楢の木など、
ここは様々な無垢材が置かれていて
癒される
「はい‥珈琲‥熱いから気をつけて。」
『ん‥‥サンキュ。‥‥さっきは
悪かったな。』
えっ?
凪が椅子を用意してくれてそこに
腰掛けると、まっすぐ私を見て
いきなり謝ってきたので焦る
『お前の知り合いのことを言ったから、
苦しくなったんだろ?』
凪‥‥‥
いつも必要以上に話さないのに、
凪には何でもお見通しだよね‥‥
マグカップを両手で握ると小さく
その場で頷いた
生きてきて、何もかも諦めていた私が、
初めて執着したのが酒向さんだ‥‥
あの人のことを考えると、胸が苦しくて
堪らなくなるほどに‥‥
『見る?』
机のファイルから、紙を取り出し
私にスッと差し出したので、気になり
受け取ると見た途端にすぐに何かが
分かった。
まだここに来て1年も経ってないのに
もう懐かしいと思うなんて‥‥
ここで酒向さんと一緒にご飯を作って、
食べて、沢山色々な話をして笑ったな‥
目を通して見ていくと、縁側のテーブル
の上に置かれていた苔玉を見つけて
それだけで胸が苦しくなった
『その部屋に合うテーブルと椅子、
お前ならどの木材を使う?』
「えっ!?そんないきなり言われても
‥‥‥でもここは日差しがよく入る
温かい場所だからチークやナラとか
だと似合いそう‥‥いいなぁ‥‥」
もう私がそこに訪れることはないけれど
そのことは抜きにしても凪の温かみの
ある家具が置かれるのは嬉しい‥
凪が私を見ていることなんて知らずに、
ずっとそれを見ていると、手から紙が
抜き取られファイルにしまわれて
しまった。



