自分の心臓を左手で軽く押さえてから、
笑顔で酒向さんを見つめた。
「その人は、私がいい‥‥
私しかいらないと言ってくれた
んです‥‥。無口でぶっきらぼうで、
口も悪い事もありますが、私は
彼の隣で今とても楽しく穏やかに
過ごせています。
酒向さん‥‥私の今があるのは、
酒向さんに会えて生きる喜びを
知れたからです。それがあって今が
あるので、感謝しきれないです‥。
本当にありがとうございます‥」
走馬灯のように初めて出会った日からの
思い出が目の前を駆け抜けていく‥‥
この人を好きになれた自分も本当で、
多くのことを学び愛を知れた。
他の人ではなく酒向さんだったから、
私はこんなにも変われたんだ。
『フッ‥‥俺はその彼には今は
勝てないな‥‥。』
酒向さん‥‥
『新名‥‥会いに来てくれて
ありがとう‥‥。これからも幸せに
過ごす君を想い願ってる。』
差し出された右手に目頭が熱くなるのを
グッと堪えてから握り返すと、わたしの
大好きだった笑顔で酒向さんが最後に
笑ってくれた。
会うのが怖かった‥‥。
それでもやっぱり勇気を出してここに
来れて良かったと心から思う‥‥。
酒向さん‥‥
私も貴方のこれからが幸せであることを
願っています。
『それじゃあ‥元気で。
‥‥そこの彼にもよろしく。』
えっ?
私の背後に視線を移し、軽く手を挙げる
そぶりを見せた酒向さんに慌てて振り返ると、ポケットに手を突っ込んだ姿の
凪と目が合った
「ッ‥‥酒向さんもお元気で。」
大切な人の笑顔を目に焼き付けて
頭を下げて見送ると、肩に軽く置かれた
手がまるで何かのスイッチかのように
涙が溢れ出た
『皐月‥‥帰ろう‥‥家に。』
「うん‥ッ‥‥」
いつから待っていたのか、ずっとここに
居たのか、離れて見守ってくれていた
優しさに、差し出された手を強く握ると
、凪もまた握り返してくれた。
その日、静岡に戻った私達は、
羽鳥さんと柿添さんを呼び、結婚の
報告を2人でした。
私の両親への挨拶が終わるまでは、
あの指輪も付けずに居たから、
なんとなく薬指がくすぐったい‥‥
『凪もついに結婚かぁ‥‥。』
『相手は皐月ちゃんだって最初から
分かってたけどね。』
えっ!?
羽鳥さんの言葉に飲みかけていたお茶を
喉に詰まらせそうになる。
笑顔で酒向さんを見つめた。
「その人は、私がいい‥‥
私しかいらないと言ってくれた
んです‥‥。無口でぶっきらぼうで、
口も悪い事もありますが、私は
彼の隣で今とても楽しく穏やかに
過ごせています。
酒向さん‥‥私の今があるのは、
酒向さんに会えて生きる喜びを
知れたからです。それがあって今が
あるので、感謝しきれないです‥。
本当にありがとうございます‥」
走馬灯のように初めて出会った日からの
思い出が目の前を駆け抜けていく‥‥
この人を好きになれた自分も本当で、
多くのことを学び愛を知れた。
他の人ではなく酒向さんだったから、
私はこんなにも変われたんだ。
『フッ‥‥俺はその彼には今は
勝てないな‥‥。』
酒向さん‥‥
『新名‥‥会いに来てくれて
ありがとう‥‥。これからも幸せに
過ごす君を想い願ってる。』
差し出された右手に目頭が熱くなるのを
グッと堪えてから握り返すと、わたしの
大好きだった笑顔で酒向さんが最後に
笑ってくれた。
会うのが怖かった‥‥。
それでもやっぱり勇気を出してここに
来れて良かったと心から思う‥‥。
酒向さん‥‥
私も貴方のこれからが幸せであることを
願っています。
『それじゃあ‥元気で。
‥‥そこの彼にもよろしく。』
えっ?
私の背後に視線を移し、軽く手を挙げる
そぶりを見せた酒向さんに慌てて振り返ると、ポケットに手を突っ込んだ姿の
凪と目が合った
「ッ‥‥酒向さんもお元気で。」
大切な人の笑顔を目に焼き付けて
頭を下げて見送ると、肩に軽く置かれた
手がまるで何かのスイッチかのように
涙が溢れ出た
『皐月‥‥帰ろう‥‥家に。』
「うん‥ッ‥‥」
いつから待っていたのか、ずっとここに
居たのか、離れて見守ってくれていた
優しさに、差し出された手を強く握ると
、凪もまた握り返してくれた。
その日、静岡に戻った私達は、
羽鳥さんと柿添さんを呼び、結婚の
報告を2人でした。
私の両親への挨拶が終わるまでは、
あの指輪も付けずに居たから、
なんとなく薬指がくすぐったい‥‥
『凪もついに結婚かぁ‥‥。』
『相手は皐月ちゃんだって最初から
分かってたけどね。』
えっ!?
羽鳥さんの言葉に飲みかけていたお茶を
喉に詰まらせそうになる。



