行くな!!
ふざけるな!!って言ってくれたら
いいのに、凪はいつでも私に決めさせて
前に進む背中を押してくれる
こんな温かい愛情を向けてくれる人に、
酷いことを伝えてるって分かってる。
それでもやっぱり私は酒向さんと
もう一度だけ話したい‥‥。
「凪‥‥ありがとう。」
体の向きを変えて凪に抱き付くと、
両腕が私を包み込み抱き締めてくれた。
「それじゃあ‥‥行ってくる。」
次の日、酒向さんと昨日予め連絡を取り
待ち合わせをしていたカフェに向かう
私の背中を軽く叩いて前に押し出して
くれた凪に笑顔を向けた
心臓がドクドクと煩い‥‥。
発作が出ないか心配になるほど、
久しぶりに緊張してる‥‥
『いらっしゃいませ。』
大きく深呼吸をしてからカフェに
入ると、店員さんの向こう側に
会うべく人の姿を見つけ、店員さんに
伝えてから奥の席に向かった。
久しぶりなのにすぐ見つけてしまう‥
いつもいつも目で追っていた人だから、
離れていても忘れることなんてない
「酒向さん‥こんにちは。
遅くなってすみません。」
キャメルカラーのニットに、ネイビーの
スラックス姿の酒向さんは、相変わらず
オシャレで、スタイルの良さと色素の
薄い整った容姿が目を引く
『新名‥‥久しぶりだね。
連絡をくれてありがとう。』
「いえ‥‥せっかくの休日にお呼びして
しまってすみません。
来てくださって嬉しいです。
ありがとうございます‥‥」
頭を下げてから椅子に座ると、
温かい紅茶をオーダーし、緊張で
冷たくなる手をカップに添えて
温めた。
「酒向さん‥‥今日は、前回
お会いした時のことを謝りたくて
来たんです‥。」
『新名‥‥‥。俺の方こそ、あんな
場所で、新名のことも考えず、自分の
気持ちを押し付けたね‥それに
泣かせてすまなかった。』
酒向さん‥‥‥
気持ちが揺れていたあの時、正直
あんなことを言われたらもう一度この
人の腕の中に飛び込んでいたかも
しれない‥‥
それくらい私にとって酒向さんという
存在はとても大きかったのだ。
今だって、優しい笑顔を見ると、
当時の思いが込みあがり、涙だって
出そうなくらいだから。
「嬉しかったです。」
『えっ?』
「酒向さんみたいな素敵な人に、
あんな風に思ってもらえて、嬉しく
ない人なんていないですよ‥‥。
ただ私が酒向さんに飛び込む勇気が
なかったんです。2回も逃げてしまい
ましたが、今日で会うのをもう最後に
する為に来ました。」
『‥俺がまだ君の事を大切に思って
いると伝えてももう遅いだろうか?』
「‥‥ありがとうございます。
酒向さん、私‥‥大切な人が今
ここにいるんです。」
ふざけるな!!って言ってくれたら
いいのに、凪はいつでも私に決めさせて
前に進む背中を押してくれる
こんな温かい愛情を向けてくれる人に、
酷いことを伝えてるって分かってる。
それでもやっぱり私は酒向さんと
もう一度だけ話したい‥‥。
「凪‥‥ありがとう。」
体の向きを変えて凪に抱き付くと、
両腕が私を包み込み抱き締めてくれた。
「それじゃあ‥‥行ってくる。」
次の日、酒向さんと昨日予め連絡を取り
待ち合わせをしていたカフェに向かう
私の背中を軽く叩いて前に押し出して
くれた凪に笑顔を向けた
心臓がドクドクと煩い‥‥。
発作が出ないか心配になるほど、
久しぶりに緊張してる‥‥
『いらっしゃいませ。』
大きく深呼吸をしてからカフェに
入ると、店員さんの向こう側に
会うべく人の姿を見つけ、店員さんに
伝えてから奥の席に向かった。
久しぶりなのにすぐ見つけてしまう‥
いつもいつも目で追っていた人だから、
離れていても忘れることなんてない
「酒向さん‥こんにちは。
遅くなってすみません。」
キャメルカラーのニットに、ネイビーの
スラックス姿の酒向さんは、相変わらず
オシャレで、スタイルの良さと色素の
薄い整った容姿が目を引く
『新名‥‥久しぶりだね。
連絡をくれてありがとう。』
「いえ‥‥せっかくの休日にお呼びして
しまってすみません。
来てくださって嬉しいです。
ありがとうございます‥‥」
頭を下げてから椅子に座ると、
温かい紅茶をオーダーし、緊張で
冷たくなる手をカップに添えて
温めた。
「酒向さん‥‥今日は、前回
お会いした時のことを謝りたくて
来たんです‥。」
『新名‥‥‥。俺の方こそ、あんな
場所で、新名のことも考えず、自分の
気持ちを押し付けたね‥それに
泣かせてすまなかった。』
酒向さん‥‥‥
気持ちが揺れていたあの時、正直
あんなことを言われたらもう一度この
人の腕の中に飛び込んでいたかも
しれない‥‥
それくらい私にとって酒向さんという
存在はとても大きかったのだ。
今だって、優しい笑顔を見ると、
当時の思いが込みあがり、涙だって
出そうなくらいだから。
「嬉しかったです。」
『えっ?』
「酒向さんみたいな素敵な人に、
あんな風に思ってもらえて、嬉しく
ない人なんていないですよ‥‥。
ただ私が酒向さんに飛び込む勇気が
なかったんです。2回も逃げてしまい
ましたが、今日で会うのをもう最後に
する為に来ました。」
『‥俺がまだ君の事を大切に思って
いると伝えてももう遅いだろうか?』
「‥‥ありがとうございます。
酒向さん、私‥‥大切な人が今
ここにいるんです。」



