凪の隣に腰掛けていた私の手をそっと
握られ、涙を拭いながら見上げると、
いつもの顔で凪が笑った
「お父さん‥‥私、手術が終わっても、
明日が怖くて人と関わらないように
生きて来た。どうせ旅立つなら変な
思い出も増やさない方が悲しくない
し、誰かに必要以上に関わる事が
怖かった‥‥。
でも、凪は‥‥私を甘やかさず
普通に見てくれた。心臓が弱いとか、
そう言う事は気にせず、1人の人と
して‥‥。だから‥私はこれからも
凪のそばで私らしく生きたい‥‥。」
向けられた笑顔に涙ながらに答えると、
2人でお父さんに向かって頭を下げた
自分で選んで、自分で見つけた場所で、
出会えたこの人を沢山愛したい‥‥
こんな気持ちになれた自分を大事に
したい‥‥
『紗英、葉山さん。
おめでとう‥‥幸せになりなさい。』
お父さん‥‥
温かいその笑顔に、堪らず立ち上がると
お父さんに抱きついた。
「お父さん‥‥ありがとう‥‥。」
本当はここにお母さんもいて欲しかった
けど、いつか2人でこうして報告したい。私はもう大丈夫だからって‥‥。
『皐月、眠れないのか?』
お父さんと食事を済ませてからホテルに戻ると、眠いはずなのに目が冴えて
名古屋の夜景を窓から眺めていた
ずっと住んでいたのに、夜の栄の
街並みを知らなかったなんて‥‥
テレビ塔や賑やかなスポットだけではなく、高層ビルなどもこんなに沢山
あったことに驚いている
きっと住んでいた時に、この世界に
あまり興味を持たないようにしていた
のかもしれない‥‥‥
「凪‥‥帰る前に行きたいところが
あるんだけど聞いてくれる?」
後ろから私を優しく抱きしめた凪にもたれかかり、腰に回された手に自分の手を
そっと重ねる
すると、甘えるように凪が私の肩に顎を
乗せて小さく頷いた。
「最後に酒向さんに会って話したい。」
凪と結婚してこれからも一緒に居たい。
だからこそ、中途半端に言葉を投げかけて終わったままの後悔をスッキリと
させておきたかったのかもしれない。
反対されたら仕方ない‥‥。
どう考えてもこんな相談されて、
いい気分にはならないから
『お前がそうしたいならすればいい。』
「ッ‥‥!」
『皐月は俺との時間を選んでくれた。
会うことで、万が一皐月が幸せだと
思える相手がその人なら、今後俺と
一緒に居ても後悔する。
お前がどんな選択をしても、それが
正直な気持ちなら従えばいい。』
凪‥‥‥
握られ、涙を拭いながら見上げると、
いつもの顔で凪が笑った
「お父さん‥‥私、手術が終わっても、
明日が怖くて人と関わらないように
生きて来た。どうせ旅立つなら変な
思い出も増やさない方が悲しくない
し、誰かに必要以上に関わる事が
怖かった‥‥。
でも、凪は‥‥私を甘やかさず
普通に見てくれた。心臓が弱いとか、
そう言う事は気にせず、1人の人と
して‥‥。だから‥私はこれからも
凪のそばで私らしく生きたい‥‥。」
向けられた笑顔に涙ながらに答えると、
2人でお父さんに向かって頭を下げた
自分で選んで、自分で見つけた場所で、
出会えたこの人を沢山愛したい‥‥
こんな気持ちになれた自分を大事に
したい‥‥
『紗英、葉山さん。
おめでとう‥‥幸せになりなさい。』
お父さん‥‥
温かいその笑顔に、堪らず立ち上がると
お父さんに抱きついた。
「お父さん‥‥ありがとう‥‥。」
本当はここにお母さんもいて欲しかった
けど、いつか2人でこうして報告したい。私はもう大丈夫だからって‥‥。
『皐月、眠れないのか?』
お父さんと食事を済ませてからホテルに戻ると、眠いはずなのに目が冴えて
名古屋の夜景を窓から眺めていた
ずっと住んでいたのに、夜の栄の
街並みを知らなかったなんて‥‥
テレビ塔や賑やかなスポットだけではなく、高層ビルなどもこんなに沢山
あったことに驚いている
きっと住んでいた時に、この世界に
あまり興味を持たないようにしていた
のかもしれない‥‥‥
「凪‥‥帰る前に行きたいところが
あるんだけど聞いてくれる?」
後ろから私を優しく抱きしめた凪にもたれかかり、腰に回された手に自分の手を
そっと重ねる
すると、甘えるように凪が私の肩に顎を
乗せて小さく頷いた。
「最後に酒向さんに会って話したい。」
凪と結婚してこれからも一緒に居たい。
だからこそ、中途半端に言葉を投げかけて終わったままの後悔をスッキリと
させておきたかったのかもしれない。
反対されたら仕方ない‥‥。
どう考えてもこんな相談されて、
いい気分にはならないから
『お前がそうしたいならすればいい。』
「ッ‥‥!」
『皐月は俺との時間を選んでくれた。
会うことで、万が一皐月が幸せだと
思える相手がその人なら、今後俺と
一緒に居ても後悔する。
お前がどんな選択をしても、それが
正直な気持ちなら従えばいい。』
凪‥‥‥



