遣らずの雨 下




「んっ‥‥凪‥‥待って‥」


『無理‥‥』


凪が作ってくれたパスタを食べた後、
2人で歯磨きをしていたはずなのに、
後ろから抱き締めてきた凪の唇が
首筋を這うと、タンクトップの裾から
ヒンヤリとした手がお腹に触れた


‥‥‥さっきまで普通だったのに、
何処でスイッチが入ったの?


「んっ‥‥」

『‥‥‥抱きたい‥』


ドクン


言葉数が少ない凪のストレートな言葉は
体に電流が流れるかのような痺れを
もたらす。


凪の手に翻弄されながらも、鏡に映る
自分の姿が恥ずかしくて、体の向きを
変えると凪にしがみついた。


「ッ‥‥ここは嫌‥‥」


『フッ‥‥』


そのまま私を持ち上げる凪の首に
しっかりとしがみつくと、そのまま
ベッドに優しく寝かされ深いキスに
暫く溺れた。


薄い凪の唇から滑り込む舌の温度は
掌と違って熱く、絡まるどちらのものか分からない唾液の音が部屋中に響く


「アッ‥‥」


胸の頂きを凪の指が甘く責め、もう片方の胸はその熱い舌先に遊ばれていき、
敏感な部分に移動しても凪は私の
気持ちいい部分に優しく触れ続けた。


恥ずかしいのに触れて欲しいなんて、
思う私は、みっともないのだろうか‥‥


『皐月‥‥入れてもいい?』

「ッ‥‥ん‥」


押し寄せる圧迫感に凪にしがみつき
ながら、体中が震えるのを抑えられない


『‥‥‥今日はもっと奥まで‥な?』


えっ?


「ッ‥ンンッ!!」


感じたことのない圧迫感と激しい律動に
目の前がチカチカしてしまう‥‥。
こんなに深くまで凪を感じるなんて、
初めてでどうしていいか分からない‥‥


激しいのに、私を気遣いながら行われる
肌と肌の触れ合いに、最後は意識が
飛ぶまで相手の体温を感じられた行為に
そのまま朝まで一度も目を覚まさなかった。



「‥‥‥ん‥‥」


体中に感じる気怠さに目を開けると、
すぐに珈琲のいい香りが鼻をかすめ
横になったままキッチンに目を向ける


何時だろう‥‥‥


昨日の途中から殆ど記憶が飛んでしまって曖昧だ‥‥


凪にされた行為を思い出すと、いまさら
ながらに恥ずかしくて全身が熱くなる。


あんなに体制を変えて何度も‥‥‥


『フッ‥‥何思い出してんだか‥‥。』


「ッ‥違っ‥‥ふ、服着てよ‥‥。」


上はタンクトップ。下はボクサーパンツ
と、思い出したくなくてもその姿に
寝たまま背を向ける