「ウウッ‥‥ヤダ‥‥見ないでよ‥。」
涙でぐしゃぐしゃの顔が見られたく
なくて泣きながら目を閉じていると、
おでこに触れた温かいものに驚き
瞳を勢いよく開けた。
「‥‥か、揶揄わ‥ないでよ‥」
さっきとは違ってハッキリとそこに
触れた感触に、余計に涙が溢れる
至近距離にある凪の顔がフッと
笑っているから、腕の中から逃げようと
すると、腰を抱かれて捉えられた
『お前のことを揶揄った事なんて‥
一度もねぇ‥‥いい加減気付けよ。』
「‥‥き、気付けよって‥‥何を?」
『‥分かんねぇの?』
えっ?
腰を抱きながらも、もう片方の手が
髪を撫でると、いつになく優しく袖で
涙を拭ってくれ、見下ろす凪を
見つめ返す
「‥‥‥お‥教えてよ‥」
『フッ‥‥‥‥‥そのうちな‥。
あー腹減った‥‥ご飯食べようぜ。
どうせお前もまだなんだろ?
違う?泣き虫の皐月ちゃん。』
さ、皐月ちゃん!?
また大きな欠伸をしながらショップの
中に入って行く凪を追いかけながら、
隣を見上げた
今日抱いたこの気持ちがなんなのかは、
分かってる‥‥。
凪といる自分が、生きてきて1番
紗英としていられてる。
だから、この気持ちを大切にしたいから
こそ、今はこの人の隣をこうして
見上げてていたい
体のことやいつ起こり得るか分からない
事態を伝えよう‥‥。
もしそれで凪の気持ちが変わっても、
仕方のないことだけど、前とは違う。
言わないで後悔したくない‥‥と。
「今日、鯖の味噌煮と豚汁だよ。」
『フッ‥‥最高だな。』
切れ長の瞳で笑う凪に私も笑うと、
さっきの人のことが今更ながらに気に
なってきた。
「あ、あのさ‥‥さっきの人って
追い返して大丈夫だったの?」
凪が答えたくなさそうだったら、
これ以上聞くのはやめよう‥‥。
プライベートなことだし、誰にでも
言いたくないことはあるから。
『ああ‥‥あれ?‥‥妹‥』
ん?
「‥‥そ、それって‥凪の?」
ご飯を食べ終わり、洗い物をする手が
止まってしまう。
『はぁ?俺以外誰の妹だよ‥‥。
ほら、早くしろ。』
泡立つスポンジで食器を洗う凪が、
私にお皿を渡そうと差し出した。
妹‥‥‥そっか‥‥‥そうなんだ‥‥。
『何笑ってんだよ‥ほんと変なヤツ‥』
涙でぐしゃぐしゃの顔が見られたく
なくて泣きながら目を閉じていると、
おでこに触れた温かいものに驚き
瞳を勢いよく開けた。
「‥‥か、揶揄わ‥ないでよ‥」
さっきとは違ってハッキリとそこに
触れた感触に、余計に涙が溢れる
至近距離にある凪の顔がフッと
笑っているから、腕の中から逃げようと
すると、腰を抱かれて捉えられた
『お前のことを揶揄った事なんて‥
一度もねぇ‥‥いい加減気付けよ。』
「‥‥き、気付けよって‥‥何を?」
『‥分かんねぇの?』
えっ?
腰を抱きながらも、もう片方の手が
髪を撫でると、いつになく優しく袖で
涙を拭ってくれ、見下ろす凪を
見つめ返す
「‥‥‥お‥教えてよ‥」
『フッ‥‥‥‥‥そのうちな‥。
あー腹減った‥‥ご飯食べようぜ。
どうせお前もまだなんだろ?
違う?泣き虫の皐月ちゃん。』
さ、皐月ちゃん!?
また大きな欠伸をしながらショップの
中に入って行く凪を追いかけながら、
隣を見上げた
今日抱いたこの気持ちがなんなのかは、
分かってる‥‥。
凪といる自分が、生きてきて1番
紗英としていられてる。
だから、この気持ちを大切にしたいから
こそ、今はこの人の隣をこうして
見上げてていたい
体のことやいつ起こり得るか分からない
事態を伝えよう‥‥。
もしそれで凪の気持ちが変わっても、
仕方のないことだけど、前とは違う。
言わないで後悔したくない‥‥と。
「今日、鯖の味噌煮と豚汁だよ。」
『フッ‥‥最高だな。』
切れ長の瞳で笑う凪に私も笑うと、
さっきの人のことが今更ながらに気に
なってきた。
「あ、あのさ‥‥さっきの人って
追い返して大丈夫だったの?」
凪が答えたくなさそうだったら、
これ以上聞くのはやめよう‥‥。
プライベートなことだし、誰にでも
言いたくないことはあるから。
『ああ‥‥あれ?‥‥妹‥』
ん?
「‥‥そ、それって‥凪の?」
ご飯を食べ終わり、洗い物をする手が
止まってしまう。
『はぁ?俺以外誰の妹だよ‥‥。
ほら、早くしろ。』
泡立つスポンジで食器を洗う凪が、
私にお皿を渡そうと差し出した。
妹‥‥‥そっか‥‥‥そうなんだ‥‥。
『何笑ってんだよ‥ほんと変なヤツ‥』



