『凪!!』
『おい‥‥やめろ‥‥離せよ!』
『嫌!!』
抱きつくというより、最早ぶら下がる
勢いで飛びつく彼女を引き剥がそうと
する凪に、ここに居ない方がいいと
悟り、そっと2階に向かおうとした
この子も彼女だった1人なのだろうか‥
凪は男らしくて、背も高く、顔立ちも
シャープで整っている。
モテる事は見てきて分かってるけど、
胸の辺りが変にモヤモヤとしてしまい
なんとなく見ていたくなかったのかも
しれない。
『皐月』
ビクッ!!
背後から呼び止められたいつもよりも
低い声に体が震え、恐るおそるゆっくり
と振り返る
「‥‥‥な、何?」
『‥外で話してくるからここにいろ。』
「えっ?あ‥‥うん‥分かった。」
一向に離れる気配のない彼女の背に
凪が手を回すと、抱き抱えたまま
2人は外に行ってしまった。
「‥‥‥‥」
さっきあんな事があったばかりなのに、
すぐ直後にあんな光景を見させられる
と、嫌でも気が滅入る。
外の様子が気になりつつも、仕事を
しないといけないから、仕方なく
もう一度パソコンを開き、事務作業を
することにした。
凪は交友関係が本当に広くて、
ここに出入りしてる業者さん達は
だいぶ分かってきたけれど、
プライベートはもっと凄そうで、
羨ましくも思える
けど‥‥やっぱりみんな私の知らない
凪を知ってる人なんだと思うと、
何処か寂しくもなってしまう
そんなの従業員だから、雇い主のことを
知らないなんて当たり前なのにね‥‥
チリンチリン
『悪い、アイツを家まで送ってくる。』
えっ?
家まで?
『皐月?聞いてる?』
「あ‥べ‥別に私に言わなくても勝手に
行ったらいいよ。凪の自由だし、
私には関係ないから。」
言った後にハッとしたけどもう遅く、
眉間に皺を寄せる凪からパッと目を
逸らした。
勝手に口から出た言葉だとしても、
明らかに嫌な態度を出してしまった
気がする
『あっそ‥‥。時間来たら上がっていい
から。』
「‥あ‥凪‥ッ」
バタン
ドアベルだけが空しく鳴り、閉じられた
ドアよりも、寂しそうに笑う凪の顔に
胸が苦しくなった
‥‥‥私‥‥なんであんなことを
言ってしまったんだろう‥‥。
ただ普通に行ってらっしゃいって
言えば良かったのに‥‥‥。
『おい‥‥やめろ‥‥離せよ!』
『嫌!!』
抱きつくというより、最早ぶら下がる
勢いで飛びつく彼女を引き剥がそうと
する凪に、ここに居ない方がいいと
悟り、そっと2階に向かおうとした
この子も彼女だった1人なのだろうか‥
凪は男らしくて、背も高く、顔立ちも
シャープで整っている。
モテる事は見てきて分かってるけど、
胸の辺りが変にモヤモヤとしてしまい
なんとなく見ていたくなかったのかも
しれない。
『皐月』
ビクッ!!
背後から呼び止められたいつもよりも
低い声に体が震え、恐るおそるゆっくり
と振り返る
「‥‥‥な、何?」
『‥外で話してくるからここにいろ。』
「えっ?あ‥‥うん‥分かった。」
一向に離れる気配のない彼女の背に
凪が手を回すと、抱き抱えたまま
2人は外に行ってしまった。
「‥‥‥‥」
さっきあんな事があったばかりなのに、
すぐ直後にあんな光景を見させられる
と、嫌でも気が滅入る。
外の様子が気になりつつも、仕事を
しないといけないから、仕方なく
もう一度パソコンを開き、事務作業を
することにした。
凪は交友関係が本当に広くて、
ここに出入りしてる業者さん達は
だいぶ分かってきたけれど、
プライベートはもっと凄そうで、
羨ましくも思える
けど‥‥やっぱりみんな私の知らない
凪を知ってる人なんだと思うと、
何処か寂しくもなってしまう
そんなの従業員だから、雇い主のことを
知らないなんて当たり前なのにね‥‥
チリンチリン
『悪い、アイツを家まで送ってくる。』
えっ?
家まで?
『皐月?聞いてる?』
「あ‥べ‥別に私に言わなくても勝手に
行ったらいいよ。凪の自由だし、
私には関係ないから。」
言った後にハッとしたけどもう遅く、
眉間に皺を寄せる凪からパッと目を
逸らした。
勝手に口から出た言葉だとしても、
明らかに嫌な態度を出してしまった
気がする
『あっそ‥‥。時間来たら上がっていい
から。』
「‥あ‥凪‥ッ」
バタン
ドアベルだけが空しく鳴り、閉じられた
ドアよりも、寂しそうに笑う凪の顔に
胸が苦しくなった
‥‥‥私‥‥なんであんなことを
言ってしまったんだろう‥‥。
ただ普通に行ってらっしゃいって
言えば良かったのに‥‥‥。



