「ッ‥‥‥‥何‥これ‥‥」
私が書いたお食事券の上に、
《皐月と一緒に食べる》と綺麗な字で
書かれている。
どうしよう‥‥‥
どんな高価なものより、どんな優しい
言葉より、今両手に持つこの1枚の
メモが嬉しいなんて思えてしまう
目頭が熱くなり、思わず泣きそうに
なる私に、向かい側から伸びてきた手が
グッと顔を上に向かせてきた後
頬を軽くつねった。
『泣くな‥‥‥ほら食べるぞ。』
「うん‥‥ッ‥そうだね‥‥‥。」
フッと鼻で笑う凪に涙を堪えて
答えると、その後も心地のいい時間を
過ごしながら食べ、凪は後片付けを
手伝い工房に戻って行った。
ここにしまっておこう‥‥
凪の字が書かれたメモをチェストに
しまうと、窓を開けて夜空を眺めた
皐月‥‥聞こえてる?
私ね‥‥今まで生きてきて、やっぱり
何処かで皐月に後ろめたい生き方を
してきてたんだと思う
皐月の為に生きなきゃ‥‥
皐月が好きだったファッション関係に
携わらないとって‥‥。
ここに来てからもそれは変わらない
けれど、今は皐月と自分の為に一緒に
生きたいってそう思えてる
凪はね、私が倒れそうな時真っ先に
手を貸してくれないんだ‥‥。
なるべく自分で考えれるように
厳しくも上手に立ち上がらせてくれる。
包み込むような優しさじゃないけど、
初めて誰かを包み込みたいと思えた。
酒向さんの事は未だに簡単に
忘れられないけれど、愛情とは少し違う
何かが今日自分の中で芽生えた気がする
心臓に手を当てて瞳を閉じると、
皐月の鼓動が心地よく脳に響いてきた
お父さんにも会いに行かないと‥‥
それにお母さんともすぐには無理だけど
いつかは向き合いたい‥‥
傷つけてしまったけれど、今の私が
こうして生きてるのはお母さんがこの世に産んでくれたからだ‥‥。
15歳までは外の世界に行けないまま
この世を去ることしか考えられなかった
私が、ここにこうして生きている
1日いちにち大切にしないと、それこそ
皐月に叱られるね‥‥
春の温かい風が窓から部屋に舞い込み、
瞳を開けるといつになく綺麗な夜空が
癒してくれる
まずはありのままの私でいよう‥‥
酒向さんとも1人では逃げようと思ったことが、凪が一緒なら何故か
向き合える‥‥そう思えたのは、
あの手紙のおかげかもしれない。
私が書いたお食事券の上に、
《皐月と一緒に食べる》と綺麗な字で
書かれている。
どうしよう‥‥‥
どんな高価なものより、どんな優しい
言葉より、今両手に持つこの1枚の
メモが嬉しいなんて思えてしまう
目頭が熱くなり、思わず泣きそうに
なる私に、向かい側から伸びてきた手が
グッと顔を上に向かせてきた後
頬を軽くつねった。
『泣くな‥‥‥ほら食べるぞ。』
「うん‥‥ッ‥そうだね‥‥‥。」
フッと鼻で笑う凪に涙を堪えて
答えると、その後も心地のいい時間を
過ごしながら食べ、凪は後片付けを
手伝い工房に戻って行った。
ここにしまっておこう‥‥
凪の字が書かれたメモをチェストに
しまうと、窓を開けて夜空を眺めた
皐月‥‥聞こえてる?
私ね‥‥今まで生きてきて、やっぱり
何処かで皐月に後ろめたい生き方を
してきてたんだと思う
皐月の為に生きなきゃ‥‥
皐月が好きだったファッション関係に
携わらないとって‥‥。
ここに来てからもそれは変わらない
けれど、今は皐月と自分の為に一緒に
生きたいってそう思えてる
凪はね、私が倒れそうな時真っ先に
手を貸してくれないんだ‥‥。
なるべく自分で考えれるように
厳しくも上手に立ち上がらせてくれる。
包み込むような優しさじゃないけど、
初めて誰かを包み込みたいと思えた。
酒向さんの事は未だに簡単に
忘れられないけれど、愛情とは少し違う
何かが今日自分の中で芽生えた気がする
心臓に手を当てて瞳を閉じると、
皐月の鼓動が心地よく脳に響いてきた
お父さんにも会いに行かないと‥‥
それにお母さんともすぐには無理だけど
いつかは向き合いたい‥‥
傷つけてしまったけれど、今の私が
こうして生きてるのはお母さんがこの世に産んでくれたからだ‥‥。
15歳までは外の世界に行けないまま
この世を去ることしか考えられなかった
私が、ここにこうして生きている
1日いちにち大切にしないと、それこそ
皐月に叱られるね‥‥
春の温かい風が窓から部屋に舞い込み、
瞳を開けるといつになく綺麗な夜空が
癒してくれる
まずはありのままの私でいよう‥‥
酒向さんとも1人では逃げようと思ったことが、凪が一緒なら何故か
向き合える‥‥そう思えたのは、
あの手紙のおかげかもしれない。



