すると、海麗君に腕を掴まれる。
「待った……ごめん……そういうの言われた事無くてすぐ反応出来なかった…」
「……」
私も告白したのは初めてで…海麗君の顔見られない。
「……姫野が俺の事そういう風に思ってくれてるって思ってなくて…姫野の事恋愛対象として見てなかった………でも……あー……ぶっちゃけ姫野の事めちゃくちゃ可愛いと思ってるし……好みじゃないわけがなくてだな……その……友達からってどうっすか…?」
「……私の事ちゃんと恋愛対象で見てくれる?」
「あぁ……でも俺…相当評判悪いし、姫野が思ってるほど良い人間じゃないから…幻滅させるかもしれないぞ?」
「そんなの私もだよ…そういうのもひっくるめて海麗君の事好きになりたい」
「じゃあ、そういうわけでよろしく……そうだ。これありすから」
海麗君はポケットからお姫様の格好をしたうさぎさんのイラストがプリントされた封筒を差し出した。
「もしかしてお手紙?わぁ!嬉しい!」
大きくなるとなかなかお手紙をもらう機会なくなるからなぁ。
すると予鈴が鳴った。
「あ、ありすちゃんのお手紙あとでゆっくり読むね!海麗君教室戻ろ?」
「俺は後から戻るよ…一緒に戻るとクラスのヤツらうるさいの面倒だし」
「んー…そうかぁ…じゃあ急いで戻るから海麗君も授業始まる前に戻ってきてねっ」
海麗君こんなに優しいのにどうして誤解されちゃうんだろう…クラスのみんなにも海麗君が優しい事わかって欲しいな。
教室に戻って席に着くと雫ちゃんがこっちを向いた。
「ねぇ、もしかして早乙女君と会ってた?」
「あ……うん…さっきうっかり告白みたいになっちゃったから…」
「えぇ!まさか…美羽が早乙女君の事好みだなんて…それで?返事は?」
「お友達からどうかって…これって彼女になれる可能性あるのかな?」
「美羽に告られて友達から!?即付き合わないとかどんだけ贅沢なの!?まぁ、振られたわけじゃないし全然可能性あると思うけど…」
「そっか…海麗君優しいから真剣に考えてくれたんだと思う…みんなも海麗君と話してみてっ」
「いやぁ…優しいのは美羽にだけな気がするし」
「そんな事ないのに…」
はっ……でも海麗君が優しくて格好良い事にみんな気付いてモテちゃったらどうしよう……
みんなにわかってもらいたいけど独り占めしたい気もする!



